第2趾と第3趾の間に大きく蹼が有る
第3趾と第4趾の間にも共に蹼が有るがカラフトアオアシシギの方が大きい
カラフトアオアシシギ アオアシシギとカラフトアオアシシギ
鼻孔の位置はカラフトアオアシシギの方が比較的嘴基部より先端側に寄る
カラフトアオアシシギの方が嘴基部が太い
アオアシシギの方が嘴の反りがわずかに大きい
カラフトアオアシシギの方が前頭がわずかに出っ張って見える
第2趾と第3趾の間に蹼がわずかしか無い
(②=第2趾、③=第3趾、④=第4趾)
足が短く尾羽からの突出が小さい
テールバンドが目立たず尾が白っぽい
足が長く飛翔時は尾羽からの突出が大きい
尾羽にテールバンドが目立つ
飛翔時アオアシシギは腰の白色部が背に食い込む
翼下面が白く見える
翼下面に横斑が目立つ
拡大写真;アオアシシギ(左)とカラフトアオアシシギ(右)
大阪南港野鳥園に珍鳥が入った。シギチの渡りシーズンだし干潮のタイミングも良かったのでこの情報が無くても久々にここへ行く予定にしていた。干潮にはまだ早かったが開館直後に現地に到着した僕は早速干潟にカメラを向けた。最初遠方にアオアシシギの小群を見つけたがさっぱり識別が出来ず念のため押さえでその群れを撮影していた。そんな感じで観察していると灯台下暗しで全く気付かない内に本命が足元に迫っていた。レンジャーに教えてもらってようやく気付きレンズを向ける。しかし第一印象はアオアシシギそのものだった。特に冬羽は素人目には違いが微妙過ぎて大きな感動が得にくい。レンジャーの説明や図鑑の記述を総合すると識別点は以下の通りだ。カラフトアオアシシギは翼下面が白く見えアオアシシギは横斑が目立つ。アオアシシギは足が長く飛翔時は羽からの突出が大きい。尾羽にテールバンドが目立つ。カラフトアオアシシギは足が短く尾羽からの突出が小さい。尾羽はテールバンドが目立たず白っぽい印象。飛翔時アオアシシギはの白色部がに食い込む。カラフトアオアシシギの方が足に黄色味が有る。カラフトアオアシシギは第2趾と第3趾(内側2本)の間に大きく蹼(みずかき)が有りアオアシシギにはわずかしか無い。第3趾と第4趾(外側2本)の間にも共に蹼が有るがカラフトアオアシシギの方が大きい。鼻孔の位置はカラフトアオアシシギの方が嘴基部よりわずかに先端側に寄る。カラフトアオアシシギの方が嘴基部が太い。アオアシシギの方が嘴の反りがわずかに大きい。カラフトアオアシシギの方が前頭がわずかに出っ張って見える(下記拡大写真参照)。
たまたま3年前の秋ここで撮影した中にひょっとするとカラフトアオアシシギではないかと思える不鮮明な画像が残っていて今回レンジャーに見てもらった。実は同時期に近くの埋立地に飛来していたそうで可能性は有ったが翼下面が白っぽいなど肯定的な要素と足が長いなど否定的な要素が有って結論は出なかったので画像は割愛する。
なおカラフトアオアシシギは世界的に稀少で絶滅危惧ⅠA類、個体数はわずか500~1000羽程度と見られている。渡来数も当然少なく全国で年間数羽程度しか記録されていないという。アオアシシギとはほとんど行動を共にせず、その訳は食性が微妙に異なるからではないかとの事だ。カニを捕食していたとの目撃情報も有った。こんなにそっくりなのにアオアシシギの亜種ではなく別種だ。

アオアシシギ:フォトギャラリー第400回他参照
類似種の識別:アオアシシギとカラフトアオアシシギ参照
初歩のバードウォッチング:足(脚)の形色彩・斑紋参照
分類:チドリ目 シギ科
全長:30.0cm
翼開長:不詳
分布:全国で稀な旅鳥。
生息環境:干潟、河口など。
食性:甲殻類、魚類、軟体動物など。
レッドリスト絶滅危惧ⅠA類(CR)
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
カラフトアオアシシギ
Nordmann’s Greenshannk
Tringa guttifer
撮影日:2019年5月2日
撮影時間:09時23分02秒
シャッタースピード:1/640秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
第465回 2019年5月6日