この日は朝から段取りが悪くフィールドに出る事が出来たのは普段より何時間も遅かった。バードウォッチングのゴールデンタイムである早朝の時間帯を逃したので大きな期待はせずじっくりと探鳥すると決めた。ウグイスはあまり時間帯に関係無く動いてくれる。足元の茂みからチャッチャッと地鳴きが聞こえたので注視していると姿が見えた。普段は藪から藪へ飛び回りながら鳴くがこの時はほぼ一箇所に止まったままだった。その行動を不審に思って後で画像を確認すると撮影時は気付かなかったが木の実をくわえていた(2枚目の画像)。キャプションに「食性:昆虫、蜘蛛、木の実など」と書いている通り確かに図鑑では木の実も食べると解説されている。しかしウグイスやムシクイは昆虫食のイメージが強い。長年ウグイスを見て来たが実際に木の実を食べているところは初めて撮れた。この後もう1個食べるところも撮れた(画像は割愛)。ウグイスにしては比較的長時間じっとしていたのはここの木の実を食べる為だった。因みに一般人(野鳥ファンじゃない人)から「近所でいっぱいさえずっていたウグイスが居なくなった。冬場どこに行ってしまうのか?」と質問されたことが有る。多少は季節移動するが恐らく今も近所のどこかに居るはずですよと答えた記憶が有る。さえずりは有名だが地鳴きは知名度が低い。近所で地鳴きしていても気付かないのが普通だろう。
少し離れたポイントではリョウブ(サルスベリ)と思われる木に止まったルリビタキが撮れた。ルリビタキも盛んに鳴いてくれるので見つけ易い。青さに鮮やかさが足りない様に見えるので亜成鳥だろうか。この雄は去年の暮れ頃からずっとここに縄張りを張っているものと同一個体と思われる(フォトギャラリー第519回参照)。
そして最近頻繁に見ているアカゲラ。今回は撮影条件に恵まれず野鳥ファンが最も嫌う曇天の空抜け、しかも枝被り。こればっかりは仕方が無い。
この日のラストは今季まだ雄1羽しか見ていなかったベニマシコだがこちらも条件は悪くリョウブに止まった1枚目は同定さえ迷う程のどてっ腹。2枚目はだいぶ時間が空いているが同じ場所で再び見つけたもので違うアングルから空抜け、しかも逆光。ここまでバックライトが強いといかに多層膜コーティングされたレンズと言えど色収差が出てしまう。画像ソフトで補正を試みてもRAWで撮った画像ではないので限界が有る。D5100は圧縮RAWだからか仮にRAWで撮ってもさほど補正は効かない。だから僕は通常FINEで撮影している。因みにカメラのレンズは原理的には凸レンズ1枚でも結像する。実際のカメラのレンズが1枚ではなく複数のレンズが組み合わされているのは僕の認識が間違ってなければ諸収差を補正する為だ。光は波長(色)ごとに屈折率が異なるので1枚の凸レンズだけではプリズムの様に光が分光されてしまいフィルム(イメージセンサー)面で結像した時に色ごとに像がズレて色収差となって画像を乱す。それを防ぐ為に凸レンズで分光された光を一旦凹レンズで補正しまた凸レンズで集光し結像するという手間な事をしている。凹レンズも組み合わせているが全体として凸レンズとなっていれば良い訳で複数の凸レンズと凹レンズを通る過程で色収差が補正されている。更にニコンレンズの場合は非球面レンズを使用したりレンズ表面を多層膜コーティングで加工したりして色収差が抑制されている。それほど幾重にも対策が施されていてもなかなか完璧という訳には行かない。

初歩のバードウォッチング:鳴き声参照
激論!投稿コーナー:003カメラ談義参照

2020年1月23日追記;
多層膜コーティングは色収差を補正すると言うより反射率を抑えてレンズを明るくしたりゴーストやフレアを抑制する為に施されている。
分類:スズメ目 アトリ科
全長:15.0cm
翼開長:21.0cm
分布:北海道で繁殖。本州以南で冬鳥。
生息環境:平地~山地の草原、林など。
食性:木の実、種子、昆虫など。
フォトギャラリー:第509回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ベニマシコ(雌タイプ)
Long-tailed Rosefinch
Uragus sibiricus
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:11時53分01秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:11時16分20秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:キツツキ目 キツツキ科
全長:24.0cm
翼開長:38.5cm
分布:九州以北で留鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:昆虫、幼虫、木の実など。
フォトギャラリー:第524回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
アカゲラ(雌)
Great Spotted Woodpecker
Dendrocopos major hondoensis
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:11時14分19秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:第521回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ルリビタキ(雄)
Red-flanked Bluetail
Tarsiger cyanurus
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:10時51分14秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:10時50分49秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ウグイス科
全長:雄16.0cm 雌14.0cm
翼開長:雄21.0cm 雌18.0cm
分布:全国で漂鳥。
生息環境:笹などの茂る林。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:第492回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
ウグイス
Japanese Bush Warbler
Cettia diphone
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:09時44分59秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:09時44分51秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年1月14日
撮影時間:09時44分37秒
シャッタースピード:1/640秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
ウグイス ルリビタキ アカゲラ ベニマシコ
第526回 2020年1月21日