正月早々、年頭を飾るのにふさわしい猛禽類2種を撮影する事が出来た。以前オオタカの幼鳥をハイイロチュウヒと錯誤した事があったが、今回は正真正銘のハイイロチュウヒが河川敷に飛来した。外見から判断して雌もしくは若鳥だ。但し近縁のチュウヒやマダラチュウヒとよく似ているので、今回も100パーセントの確証はない。実は別のポイントで別の鳥を狙っていたのだが、そこにまず現れたのがチョウゲンボウだった。水面の10メートルくらい上空をホバリング(停空飛翔)を繰り返しながら飛び去ったので、後を追ってみたのだが見失ってしまった。それでもどうにか撮影出来て良かったと胸を撫で下ろしていた時、特徴的な白いのハイイロチュウヒが現れた。初列風切の分離羽は5枚だ。ひとしきり樹木の周囲を飛び回った後、1分半程で対岸へ飛び去った。チョウゲンボウを撮影したわずか15分後の出来事だった。少々距離があったのでかなりトリミングしており、残念ながら画質は良くない。通常あまり高い上空を飛ぶ事はなく、比較的低空をこの様に翼をV字にして飛ぶ。レッドリストには載っていないが個体数は少なく、特に雄成鳥は少ないとされる。
チョウゲンボウはハヤブサ科に属する小型の猛禽類で、キジバトくらいの大きさだ。尾が長く、体に対する尾の長さの比率が日本のタカ目の中で最も大きいとされる。の先に太い帯が目立ち、獲物を探して飛翔中にホバリングするので、小さくとも何とか同定出来た。しかし目立たないので危うく見落とすところだった。同じくレッドリストには載っていないが、そう簡単に姿を見られる訳ではない。実際、ハイイロチュウヒもチョウゲンボウも初めて目にしたので、撮影難易度も星4個とした。
この日は大当りで、タカ科のミサゴ(準絶滅危惧)、カモ科のツクシガモ(絶滅危惧ⅠB類)なども撮影出来た。この日初めて見た野鳥がツクシガモ、ハイイロチュウヒ、チョウゲンボウの3種で、内1種が絶滅危惧種、2種が猛禽類という訳だ。また、わずか2ヶ月程の間にこの撮影ポイントに現れた猛禽類としては、上記の他にハヤブサ、オオタカ、ノスリ、トビが名を連ねる。この撮影地までは自宅から距離があるが、この様な状況だから何度も足を運んでおり、休日のほとんどをここでの撮影に費やしている。行けない日がもどかしく勿体無くてしょうがない。
分類:タカ目 ハヤブサ科
全長:雄33.0cm 雌38.5cm
翼開長:68.5~76.0cm
分布:全国で留鳥または冬鳥。
生息環境:平地~山地の草原、農耕地、河川など。
食性:鳥類、小型哺乳類、昆虫など。
指定:
天然記念物(長野県十三崖のチョウゲンボウ繁殖地)
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
チョウゲンボウ
Common Kestrel
Falco tinnunculus
撮影日:2010年1月3日
撮影時間:13時38分46秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F11.2
撮影モード:マニュアル
焦点距離:600mm(換算900mm)
ISO感度:1600
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:タカ目 タカ科
全長:雄43.0cm 雌53.5cm
翼開長:98.5cm~123.5cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:草原、農耕地、河川など。
食性:両生類、鳥類、小型哺乳類など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
ハイイロチュウヒ
Hen Harrier
Circus cyaneus
撮影日:2010年1月3日
撮影時間:13時54分23秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F11.2
撮影モード:マニュアル
焦点距離:600mm(換算900mm)
ISO感度:1600
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
ハイイロチュウヒ チョウゲンボウ
第37回 2010年1月4日