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メイキング・オガサワラマシコ










































































































































































































































































スライドショー
背景案。
背景は没にした案も含めて全て架空のイメージの組み合わせだ。行く機会に恵まれないので実際の小笠原にこの様な岩や風景が存在するかどうかさえ知らない。いずれ訪問が実現すれば背景を差し替えるかも知れない。もちろんオガサワラマシコ自体も乏しい文献しか参考にしていないので新事実が判明すれば随時修正する事になるだろう。誰も気付いてない(と言うより誰も気にも留めてない)と思うが実は過去の掲載イラストはカワセミからカンムリツクシガモまで全て公開後も微修正を繰り返している。今回の作品も実は完成したとは思っていない。心のどこかで常に満足していない自分が居る。
完成前。
この段階でスケッチの狂いに気付き大掛かりな修正作業を強いられた(上尾筒を追加、初列風切を上へ押し上げ直線的に修正、足の長さを修正など)。色相を補正し黄色味を弱めたあと細部の微修正を繰り返し、取って付けた様な美し過ぎる背景を避けリアリズムを優先して敢えてどうと言う事も無い草原や海岸の岩礁のイメージなど3通り試作した背景の中からオガサワラマシコの習性に最も相応しいと思われる、どちらかと言うと保護色系のものを選んで本編の完成作品となる。
汚し。
ハイライトや汚れを加えてリアリティを出す作業。縮尺を変更。Photoshopなら縮尺や色相の変更も容易だ。イラストは緻密に描けばリアルになるかと言えばそんなに単純なものではない。ここまで来てもまだいかにもイラストであって存在感が足りない。悶々と苦しみながら数日かけてリアリティを出す。
背景。
背景を入れ岩も点描して全てイラストとして描いた。通常のイラストであればここで完成と言っても良いが僕はここでは終わらない。むしろここから本格的な作業が始まる。
ディテール仕上げ。
羽毛を1本1本描き込み各パーツの質感を仕上げて行く。前段階でせっかく描いたものもおかしいと思えば容赦なく全部消す。オガサワラマシコの特徴を出す為に嘴を僅かに寸詰まりに修正した。
ディテール。
下書きを消し陰影を加えて立体感を出し、羽縁、縦斑などを乗せて行く。この辺りまで丸一日で到達。だいぶ全体のイメージが出来て来た。しかしここからが長い。
下塗り。
下地となる色を着色したところ。
下書き。
徐々に輪郭を決めて行く。ここまではイカル。
ラフスケッチ。
下書きの前段階。同じアトリ科で大きい嘴が特徴のイカルをベースにした(フォトギャラリー第106回参照)。もし写真をトレースしていたらこのスケッチは存在しない筈。実際このあと仕上げの最終段階に至るまでスケッチに狂いが有るのに気付かなかった。
イラストの制作過程の舞台裏を段階を追ってお見せするメイキング・オガサワラマシコ編。
今回もAdobePhotoshopで全ての描画を行った。前回までは途中の画像をほとんど残していなかったので今回は意図して各段階の画像を残しておいた。
メイキング編Ⅴ オガサワラマシコ