撮影してから1ヶ月以上も経ってしまったが、舳倉島の野鳥シリーズはまだまだ続く。今回はホオジロ科の仲間たち。
僕にとってシロハラホオジロは全く馴染みの無い鳥だったので、実は出会いの感激もさほどではなかった。図鑑よりも先に「実物から入った」野鳥だ。第一印象は「立派な白い鬚を蓄えたお爺さんみたい」だった。撮影してからいろいろ調べてみて初めて、なかなか大したお客さんだと分かって来た。図鑑によっては迷鳥としているものも有り、その図鑑の写真も撮影地が舳倉島となっていたりする。
コホオアカも図鑑によっては迷鳥としているものが有る。日本のホオジロ科の中で最小。が赤茶色の濃色型と淡いクリーム色の淡色型が有り、この個体は淡色型と思われる。このコホオアカで僕の撮影種が亜種を含めると200種に到達した。もっと普通種のホオアカを僕は未だ見た事が無い。見る順番を間違ってると言うべきだろうか。自分で言うのも何だけど、いかにも僕らしい。
ノジコは大阪などでは稀なので僕にとっては憧れの野鳥だった。つまりこちらは通常通り「図鑑から入った」訳だ。中部以北に偏って局地的に分布し、日本のみで繁殖するとされる準絶滅危惧種だ。そのノジコがマヒワと共に水場近くの地面で人を怖れずに採餌していた。野鳥ファンに囲まれているのだからこれほど安全な場所は無いのだけど、それにしても僅か数メートルの至近距離に全く無警戒のノジコが居たのには感激した。
クロジは日向に居ても影みたいに黒っぽく見える。道の真ん中で採餌していた。去年の11月、滋賀県の伊吹山で撮影して以来だ。
ホオジロ科としてはこれらの他にミヤマホオジロを撮影したが、最近フォトギャラリーに登場したばかりなので、写真の掲載は見送った。たまたま横に居た人は初見だったらしく、しきりに感激していた。おそらくノジコとあべこべにミヤマホオジロの稀な東日本の野鳥ファンなのだろう。僕にとっては割と身近な鳥なので内心ちょっと優越感に浸ってしまった。
これほど珍鳥の多い舳倉島だが、意外にも逆に最も見慣れたスズメが居ない。ここではスズメが珍鳥という訳だ。

ミヤマホオジロ:フォトギャラリー第16回第104回参照
類似種の識別:アオジ(雌タイプ)とクロジ(雌タイプ)アオジとノジココホオアカとホオアカクロジ(雌)とシマノジコ(雌)参照
初歩のバードウォッチング:生息環境参照
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:17.0cm
翼開長:25.5cm
分布:留鳥または漂鳥。
生息環境:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
クロジ(雌タイプ)
Grey Bunting
Emberiza variabilis
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:13時12分34秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:14.0cm
翼開長:20.5cm
分布:中部以北で局地的に夏鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
レッドリスト :
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
ノジコ(雄)
Yellow Bunting
Emberiza sulphurata
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:12時40分27秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:13.0cm
翼開長:不詳
分布:主に日本海側の島嶼部で旅鳥または稀な冬鳥。
生息環境:平地の林、草原、農地など。
食性:昆虫、種子など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
コホオアカ
Little Bunting
Emberiza pusilla
撮影日:2013年5月4日
撮影時間:13時45分38秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×

分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:15.0cm
翼開長:不詳
分布:主に日本海側の島嶼部で稀な旅鳥。
生息環境:平地の林など。
食性:昆虫、種子など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
シロハラホオジロ(雄)
Tristram’s Bunting
Emberiza tristrami
撮影日:2013年5月3日
撮影時間:14時02分19秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:250
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
シロハラホオジロ コホオアカ ノジコ クロジ
第113回 2013年6月12日