また遠出してしまった。本来イヌワシの撮影難易度は星5個相当だろう。なにしろそんじょそこらには居ない鳥だ。そう思うのになぜ星4個にしているのかと言うと図鑑にも載っている有名な生息地が伊吹山に有り、車で簡単に行けるからだ。周辺で聞き込みをして撮影ポイントもすぐに見つかった。人間に対する警戒心が極端に強く、営巣地の近くに人工的な建造物が出来ただけで巣を放棄してしまうと言われるから、ここに生息しているのが不思議であり、本来熟練した登山家でなければ近付く事も出来ない鳥のはずだ。実際麓から登って来たと思われる重装備の山男達に出会い、横着して車で登ったのが何だか照れくさかった。
この撮影地はかなり高低差が有り、強い逆光にならざるを得ないからイヌワシだかトビだかよく分らない写真になってしまった。因みに後頸が金茶色なので英名はGolden Eagleだ。
ところで伊吹山は千メートル級の山だが、野鳥たちは高山病にならないのだろうか。気のせいかも知れないが車で一気に登ったせいかこの程度の標高でも体に変調を感じた。頂上まで駐車場から徒歩で登ってみたがこの時季にしては寒いくらいだった。雲海が強い風に押されて巨大な生物の群れが大移動しているみたいに山々の稜線を越えて流れていた。
今回は逆光で止まっているところしか撮影出来なかったがいずれ飛翔中も撮影したいし、高山帯に分布する野鳥も狙っているので、大阪からここへ行くには通行料、ガソリン代など、そこそこコストが掛かるが、近い内に是非また訪れたいイヌワシの王国であった。なお伊吹山ドライブウェイは冬季は積雪のため閉鎖されるから、この時季しか行けない。高山性の野鳥を狙うなら秋、閉鎖の直前が狙い目だそうだ。但し山頂付近には軽装備では立入禁止のエリアが有り実際事故が多いと看板に書かれていた。山を軽く考えては危険だ。まさか必要無かろうと思いつつ持って行った真冬に着る防寒着がちょうど良かった。便利な所だからこそ、それなりの気構えと準備が必要だ。
分類:タカ目 タカ科
全長:84.0cm
翼開長:167.5~213.0cm
分布:局地的に留鳥。
生息環境:低山から亜高山帯の岩場、林など。
食性:哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類など。
レッドリスト:
絶滅危惧ⅠB類(EN)
指定:
天然記念物
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
イヌワシ
Golden Eagle
Aquila chrysaetos
撮影日:2012年6月6日
撮影時間:11時41分17秒
シャッタースピード:1/100秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:200
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
イヌワシ
第85回 2012年7月10日