去年暮れ頃から話題沸騰中だから大阪の野鳥ファンとしては行っておかねばならないと思い立ち、遅まきながら淀川河川敷に馳せ参じた。フォトギャラリー4年ぶりのコミミズクだ。しかも確認しただけで4羽も居た。平日にもかかわらず数百人のギャラリーがずらりと並ぶスーパーアイドルぶりだった。アニメのキャラクターみたいなインパクトの強い顔立ちだし人を惹きつける魅力に溢れたスター性の有る野鳥だと思う。この日のギャラリーの多くが関西訛りじゃないカメラマンで、小グループ単位で各地から集っているのが分かった。地元民は既に一通り撮影し終えているのだろうか。被写体は想定していたより近く、中でも羽角のほとんど無いタイプの1羽は警戒心が希薄で、こんなに近くてもいいのかと思うほどカメラマンから近い杭に止まって飛び出しなどを披露し愛想を振り撒いていた。撮影が簡単過ぎて手応えも達成感も何も無く面白くないとさえ感じるほど近い杭で、サービスの大安売りをしていた。至近距離からアップで撮影出来たが、個人的には4年前のぼやけた写真の価値が相対的に下がってしまう様な事はいささかも無い。ここで言うのも何だけど4年前に一回きりのシャッターチャンスで撮影した貴重な1枚が僕にとっては依然としてコミミズクのベストショットだ(フォトギャラリー第56回参照)。野鳥ファン心理とはそういうものなのかも知れない。とは言え今回も西日本ではなかなか無いシャッターチャンスである事に変わりは無い。近過ぎる所を飛んだので一部フレームアウトしてしまった。被写体が縦横無尽に飛び回るとMF撮影はそれなりに難しい。笑っちゃうほどベチャッとした顔盤とずんどうな胴体がユニークだ。雌雄同色だが図鑑によれば下雨覆(下小雨覆下中雨覆下大雨覆)が成鳥雄は白く成鳥雌のそれには黒褐色の斑が有り、からの縦斑は雄の方が細い傾向が有るとの事だ。これらの特徴を総合すると2枚目の写真の個体は雌だろうと推定出来る。3枚目の写真は小さな羽角の有る別個体で、土手の上の高い位置からしか見えない茂みの中で雑草に成り切って長時間うずくまっていた。遠方の草被りだがこの写真が3枚の中では最も写し甲斐が有った。ところでミミズクの羽角はもちろん耳ではない。耳は耳羽の下に隠れている。ちなみにフクロウ科の耳は左右非対称の位置に有り、闇の中でも音源の位置を立体的に把握出来る構造になっているとされる。羽音を立てずに飛べるのも獲物に気付かれない為と獲物の発する音を聞き逃さない為で、顔盤が平べったいのも集音の為だと言われる。この日は夕方頃から盛んに鳴いたりコミミズク同士でバトルしたりするなどサービス精神旺盛な所を見せてくれた。撮影は簡単だったが久々だったので撮影難易度は見直さず星4個に留めた。

2017年5月7日後日記;追記
上記の様に「耳が左右非対称の位置に有る」或いは「羽音を立てずに飛べる」というのはフクロウ科全てに共通の特徴ではなくフクロウなど一部の種に特有の特徴である様だ。
分類:フクロウ目 フクロウ科
全長:38.0cm
翼開長:99.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:平地~山地の草原、農地、川原など。
食性:小型哺乳類、鳥類、両生類、昆虫など。
フォトギャラリー:第56回参照
撮影難易度:★★★★☆
コミミズク
Short-eared Owl
Asio Flammeus
撮影日:2015年1月14日
撮影時間:14時11分52秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2015年1月14日
撮影時間:15時18分04秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2015年1月14日
撮影時間:14時49分47秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
コミミズク
第167回 2015年1月21日