初歩のバードウォッチング:色彩・斑紋参照
余録;オシドリ(雄エクリプス)
完全なエクリプスの時は風切羽が一斉に抜けるので一時的に飛べなくなると言われるが本当だろうか?なぜそんなふうに進化したのだろうか?
最近よく行く撮影ポイントの池には広葉樹が張り出していてオシドリが来そうだなぁと目星を付けていた。オシドリはどちらかと言えば山間部の池の畔に張り出している樹から池に落ちて沈んでいるドングリなどを好むので、そういう池が狙い目だ。どういう進化の悪戯かカモなのに木登りが得意で樹洞などに営巣し雌だけが子育てするという特異な性質の持ち主だ。
警戒心が強くて普段はなかなか池の真ん中に出て来ず畔の茂みや樹の枝などに隠れている。オシドリにしてみれば、その必要も無いのにわざわざ危険を冒して姿を曝す事も無いだろう。ここの個体は警戒心が特に強く、50メートルの距離でこちらの姿を見せてしまうと逃げてしまうし、こちらの身を隠す所も無いので苦戦した。最初は雌雄1羽づつしか居なかったが数日でそれぞれ3羽づつに増えた。1枚目の写真はようやく姿を見せてくれたものの遠過ぎてイマイチの画質になってしまった。これだけでは物足りないので、別の場所で撮影した在庫写真を載せておく。ただし2枚目の写真は普段の雄で、気合いを入れて飾り羽を雌に誇示している1枚目の写真ほど美しい羽をアピールしていない。カモ科の場合は既にこの時季には繁殖羽に換羽しているからこれを夏羽とは言いにくい。雄の繁殖羽は見れば見るほどハデハデだ。イチョウの葉に似ている橙色の大きな羽は三列風切の1枚で、その形から銀杏羽と呼ばれる。雌が代々派手な雄を選んで来た結果この様に進化したのだろうから野鳥ファンとしては歴代の雌の審美眼に感謝しなければならない。自然界の天才芸術家と言って良いだろう。雌の外見は雄のエクリプス(非繁殖羽)と似ているが雄ならば嘴が紅色だ(下記余録参照)。
余談だがイチョウは広葉樹ではなく原始的な針葉樹の一種で三畳紀(約2億5000万年前~約2億年前)の地層から化石が出土するほどだから植物界の生きた化石と言われる。鳥類のご先祖様である始祖鳥がジュラ紀(約2億年前~約1億5000万年前)だからその時代には既にイチョウが存在した事になる。因みに有名なティラノサウルスは白亜紀(約1億5000万年前~約6500万年前)後期だから、ティラノサウルスから見れば三畳紀やジュラ紀は約1億年~約2億年も昔、むしろ現代の方が近い時代という事になる。
仲の良い夫婦を「オシドリ夫婦」などと例えたりするが実際のオシドリは毎シーズン相手を変えているらしい。多様な子孫を残す方が種の保存には有利だろうからその方が合理的だが、「よし、いい事を聞いた」と浮気がバレた時の言い訳にオシドリを使ってお茶の間が修羅場になっても僕は知らない。
分類:カモ目 カモ科
全長:45.0cm
翼開長:69.5~77.0cm
分布:東北地方以北で夏鳥。それ以南で漂鳥または冬鳥。
生息地:平地~山地の林、湖沼、河川、水田など。
食性:ドングリ、草など。
レッドリスト情報不足(DD)
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
オシドリ(上左=雄・上右=雌・中=雄、下=雌)
Mandarin Duck
Aix galericulata
撮影日:2012年11月14日
撮影時間:12時32分37秒
シャッタースピード:1/125秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:200
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2012年11月14日
撮影時間:10時22分27秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2015年2月11日
撮影時間:10時06分52秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
オシドリ
第170回 2015年2月15日