丸2日間、泊まり掛けで意地になってオジロワシの撮影に臨んだ。過去二度の写真は目も当てられない酷さだったので、とにかくもう少しマシな写真を掲載しなければ話にならないと思い、たまたま休日で天気の良い日を見計らって出掛ける事にしたのだ。おそらく時季的にも北帰行が近く、今シーズン最後の機会になりそうだった。
1日目の午前中は以前目撃したポイントでひたすら待ち、全く気配も無かった事から午後になってポイントを移動してみたところ、カメラを構える人達が居たので湾を挟んだ対岸の木に止まっているのが分かった。しかし数百メートルも離れている上に、何時間も立ちっぱなしでひたすら待ったにもかかわらず結局この日は一度も飛ばず、これまでと同様の正体不明な写真しか撮れなかった。
翌2日目は夜明け前からそのポイントにカメラをセットし、夜明けと同時に対岸のほぼ同じ場所に止まっているのを確認した。こうなると、もう全く動かないのではないかという悲観的なイメージが頭をよぎる。それだけに、突然飛び立った時は久々に興奮した。およそ100メートル程の距離が有ったので解像度は良くないが、まだ朝早くて僕の他には誰も居なかったので、このシーンは独り占めだ。ただ、期待したハンティングはせず、数回上空を旋回しただけで何も獲らずに元の場所に戻ってしまった。通常オジロワシはトビの様に屍肉を漁ったり、他のタカが獲った獲物を横取りしたりする事が多いとされるが、ここでは主に生きた魚を捕食するところが目撃されているそうだ。欲を言えばそういうシーンが撮影出来れば良かったのだが、結局この日も飛翔したのはこの1回きりだった。もう飛ばないと見た僕は湾に沿った道を延々歩いて、もう少し近い所まで行ってみた。そこは薄暗い林で、ファインダー越しでは被写体がよく見えず、苦し紛れにシャッターを押して撮ったのが下の写真だ。実は撮影中には上の1羽にしか気付かず、帰宅後に写真を整理していて初めて2羽写っている事に気付いた。このエリアに2、3羽居るという話は聞いていたが、まさか同じ木に止まっているとは思わなかった。1羽だけでも充分なのに偶然とは言えツーショットが撮影出来て、2日掛かりの撮影をした甲斐が有った。
分類:タカ目 タカ科
全長:雄80.0cm 雌95.0cm
翼開長:180.0~230.0cm
分布:本州以北で冬鳥または留鳥。
生息環境:海岸、河川、湖沼など。
食性:魚類、両生類、哺乳類などの主に屍肉。
レッドリスト
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
指定:
天然記念物
フォトギャラリー:第57回第75回参照
撮影難易度:★★★★☆

オジロワシ
White-tailed Eagle
Haliaeetus albicilla
撮影日:2012年2月22日
撮影時間:10時39分28秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2012年2月22日
撮影時間:08時04分17秒
シャッタースピード:1/640秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
オジロワシ
第78回 2012年3月13日