小笠原諸島ではオガサワラマシコとオガサワラガビチョウが1828年、オガサワラハシブトゴイと今回のオガサワラカラスバトが1889年に採集されたのを最後に記録が途絶え絶滅した。
今回のイラストはカラスバトをベースにした。オガサワラカラスバトは外見上カラスバトよりやや大型で嘴の色が緑色味のある黄色という点などが異なる(カラスバトの嘴は先が淡黄色で基部は淡青緑色)。生態の詳細は不明だ。
過去イラストギャラリーでは架空の背景を多く描いて来たが今回背景に描いたのは元画像通り松の木だ。いろいろ調べたところオガサワラカラスバトが生息していた時代には小笠原諸島に松は存在しなかったが現在は外来種のリュウキュウマツが繁茂する。つまりこのイラストは生息当時の想像図ではなく、もしオガサワラカラスバトが現代に撮影出来たとしたらこうなるのではないかという想像図ということになる(キャプションに書いた通り広葉樹林に生息したと考えられている)。但し元画像では枝が被っていたが邪魔な枝は無かった事にした。こういう事が出来るのもイラストの便利なところだ。しかし全く枝が被らないよりは少し被っていた方がリアルだと考え右足に被っているところはそのまま再現した。
元画像が空抜けなのでリアリティにこだわり最後の仕上げに色収差を描き込んだ。

オガサワラマシコ:イラストギャラリー第5号参照
オガサワラガビチョウ:イラストギャラリー第6号参照
オガサワラハシブトゴイ:イラストギャラリー第7号参照
カラスバト:フォトギャラリー第376回参照
分類:ハト目 ハト科
全長:45.0cm
翼開長:不詳。
分布:1889年、小笠原諸島で留鳥。
生息環境:広葉樹林。
食性:木の実などと思われる。
レッドリスト絶滅(EX)
オガサワラカラスバト(想像図)
Bonin Wood Pigeon
Columuba versicolor
オガサワラカラスバト
第8号 2019年1月1日