初歩のバードウォッチング:撮影参照
2012年の「フォトギャラリー」年初を飾るのは獲物を掴んだオオワシの飛翔だ。
この日オオワシは午前中に一度飛んだきり、いつもの琵琶湖畔の山本山中腹で枝被りの木に止まっていたのだが、やおら近くの漁港方面に向かって飛び去ってしまった。一度飛び去ると大抵は長時間戻って来ないので、後を追って飛び去った方面に移動してみようかと思った矢先、意外にもわずか1分半後に戻って来た。しかも大きな魚をしっかり捕まえて、こっちに向かって来る。とっさの事に翼の一部が画面からはみ出すという痛恨のエラーをしてしまったが、近距離から撮影出来ただけでも幸運だった。と言うのも実はこの時、現場に居合わせた人の多くがこの絶好のシャッターチャンスを逃していた。まさかこんなに早く戻って来るとは予想していなかった為に、機材を片付けたりカメラから離れたりしていたのだ。野鳥と相対する時には油断も隙も無い事を改めて思い知らされた。
ところで去年の暮れ近くに不注意から出先で愛用のD40を壊してしまい、その日の野鳥撮影の為にカメラ店を探して急遽展示品のD5100を購入した。そのカメラが今回、正月早々活躍する事となった。D5100もD40も廉価だし、上記のレンズは中古で購入したものだから、周辺機器を合わせても10万円余りでひと通りの機材を揃えた計算だ。当然高価な機材の方がクオリティの高い写真を撮れる可能性が高く撮影には有利だが、この程度の予算でも充分に野鳥の撮影が出来るし、軽量ゆえに今回の様なケースではむしろ大口径レンズより素早く対応出来る場合も有る。今回はD5100の操作感が使い慣れたD40と近い事も幸いした。そして一眼レフカメラの大きな利点は、汎用性が高いために後からカメラ本体やレンズを買い足すなどシステムの変更が容易な所だ。また、遠方の動かない被写体には高倍率のフィールドスコープが威力を発揮するが、動きの速い被写体には一眼レフの機動力に勝るものは無いと思う。もちろん壊してしまったD40も修理して、サブカメラとしてこれからも愛用するつもりだ。
今年もまた様々な状況に翻弄されながら、気ままな鳥たちを愛機のファインダーに捉えて行きたい。
分類:タカ目 タカ科
全長:雄88.0cm 雌102.0cm
翼開長:220.0~245.0cm
分布:北海道、東北、日本海側などで冬鳥。
生息環境:海岸、湖沼、河川など。
食性:魚類、鳥類、両生類、哺乳類など。
レッドリスト
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
指定:
天然記念物
フォトギャラリー:第73回参照
撮影難易度:★★★★☆
オオワシ
Steller’s Sea Eagle
Haliaeetus pelagicus
撮影日:2012年1月3日
撮影時間:13時40分05秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
オオワシ
第74回 2012年1月5日