前回紹介したオオワシを撮影した日の午前中、僕は或る情報を元にアメリカコハクチョウを探していた。山本山の1キロ余り南に有る琵琶湖畔のビオトープで望遠レンズ越しにコハクチョウの群れの中を探したら、嘴の黄色部分が小さい個体が目に留まった。親子と思われる5羽ほどが池の反対側を泳いでいたが、ちょうど餌場に向かう時間だったらしく、撮影を始めてわずか1分後には飛び立って行ってしまった。あと数分到着が遅れていたら出会う事は無かった。ここがねぐらだと分かったので、その2週間後に同じ場所を訪れて撮影したのがこの写真だ。
アメリカコハクチョウはコハクチョウの亜種で主な生息地は北米大陸だが、亜種ではなくコハクチョウとは別種との見解も有る。亜種コハクチョウと比べると上嘴の基部にある黄色い部分が小さく、ほとんど無い個体も有るとされる(フォトギャラリー第58回参照)。しかし相互に交雑した個体も有って黄色い部分が大きめの個体など、どこまでがアメリカコハクチョウと言えるのかは専門家の間でも見解の相違が有るそうだ。その様な個体の観察例は少なくない様だが、その多くが交雑個体の可能性が有る。実際、もう一方の成鳥は嘴の黄色部分がやや大きかった。幼鳥は更に同定が難しく、外見だけで見分けるのは困難だ。
オジロワシはこの日の昼過ぎに琵琶湖畔の某所で撮ったものだ。僕が到着した時には余りにも遠方の木に止まっていたが、カメラを据えてわずか数分後に飛び立ち、視界から消える前にどうにか射程に入った所を撮影出来た。こちらもあと数分到着が遅かったら撮影出来なかった訳で、ピンボケながら辛うじてそれと分かる写真が撮れて良かった。オオワシに次ぐ大きさのワシだが、遠すぎて実感は無い。
ところでそのワシの大きさを詳しく調べてみたら、先日オオワシを「日本最大のワシタカ類」と紹介したのは誤りである事が分かった(フォトギャラリー第73回参照)。日本鳥類目録には迷鳥ながらクロハゲワシの記載が有り、この鳥は全長が102~112cm、翼開長が250~295cmも有る。主な分布域は中央アジアや北アフリカなどだが、過去には北海道から沖縄まで日本各地に記録が有る。オオワシの巨大さから日本最大と思い込んでいたが、上には上が有るものだ。
なお、今回初めて撮影難易度を見直してオジロワシを星5個から4個に下げた。どうしようも無い写真とは言え1年前に米子で撮影し、今回琵琶湖で撮影出来た事から、また撮影出来る可能性が高まったと判断した。いずれリベンジして、もう少し恥ずかしくない写真を紹介出来ればと思う。

類似種の識別:アメリカコハクチョウとコハクチョウ参照
分類:タカ目 タカ科
全長:雄80.0cm 雌95.0cm
翼開長:180.0~230.0cm
分布:本州以北で冬鳥または留鳥。
生息環境:海岸、河川、湖沼など。
食性:魚類、両生類、哺乳類などの主に屍肉。
レッドリスト:
絶滅危惧ⅠB類(EN)
指定:
天然記念物
フォトギャラリー:第57回参照
撮影難易度:★★★★☆
オジロワシ
White-tailed Eagle
Haliaeetus albicilla
撮影日:2012年1月18日
撮影時間:12時10分22秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:カモ目 カモ科
全長:132.0cm
翼開長:180.0~225.0cm
分布:九州以北で冬鳥。
生息環境:湖沼、河川など。
食性:青草など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
アメリカコハクチョウ
Whistling Swan
Cygnus columbianus columbianus
撮影日:2012年1月18日
撮影時間:09時11分37秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
アメリカコハクチョウ オジロワシ
第75回 2012年1月25日