拡大写真:アメリカヒドリの腋羽
去年秋頃疑問符を付けたまま掲載したアメリカヒドリが別の場所でまた撮れた(フォトギャラリー第675回参照)。ただし今回は腋羽を見せてくれたので本種と特定出来た(下記拡大写真参照)。事の起こりは川面に浮かぶヒドリガモの100羽程の群れを見つけ「まさかな~・・」と思いながら念の為望遠レンズに目を凝らして観察している時だった。結果はそのまさかだった。ちょっと遠かったが初めは緑色の頭が見えた。水面に浮かぶその姿を追って何枚かシャッターを切ったが例によって腋羽が見えず交雑個体との識別が出来なかった(画質がイマイチなので画像は割愛)。半信半疑のままずっと観察していると幸い群れが次々と飛び立ち対岸の河川敷へ降りた。そこを逃さず撮影し押さえたのが2枚目の画像だ。後ろ向きだが腋羽と下雨覆が白いのをはっきりと捉える事が出来た。対岸は更に遠く画にならなかったので向こう岸へ渡りたいと思ったが橋が近くに無くかなりの距離を歩かねばならなかった。移動している間にこっちへ飛んで来るかも知れないししばらく待ってみたがいつまで観察していても動く気配が無かったので思い切って行ってみる事にした。河川敷をぐるっと歩いて対岸へ渡り一段高い堤防道を慎重に接近してみた。群れは土手に茂った雑草の種か何かを食べている様子だった。改めて多数の群れの中から探し出しじりじりと寄って行く。最接近時は数十メートルの距離まで迫った。幸い向こうは食事に夢中なのかこちらの事など気にも留めていない様子だった。1枚目はその時の画像だ。多数のシャッターを切り動画も撮って充分満足した頃散歩の人が通りかかった。さあ飛ぶぞと構えていたが何と蹴とばしそうなほど彼らのすぐ脇を通ったのに1羽も飛ばなかった。それまで神経を使っていた僕は拍子抜けして失笑してしまった。そこまで人慣れしているとは思わなかった。しかしもう満足していたのでそれ以上接近せず邪魔しない様にその場を後にした。不思議と野鳥たちは散歩の人は警戒しなくてもカメラマンは警戒する事も有る。歩いている時は警戒してなかったのに撮影しようと立ち止まった瞬間に飛んでしまったという経験は誰しも有ると思う。
この日は用事のついでに河川敷を歩いたが次のイカルチドリは用事の前、アメリカヒドリの方が用事の後、同じ河川敷で撮ったものだ。

ヒドリガモ:フォトギャラリー第631回参照
類似種の識別:アメリカヒドリとヒドリガモ参照
YouTube:アメリカヒドリ参照
分類:チドリ目 チドリ科
全長:21.0cm
翼開長:45.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:河川、水田など。
食性:昆虫など。
フォトギャラリー:第682回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
イカルチドリ
Long-billed Plover
Charadrius placidus
撮影日:2022年2月7日
撮影時間:09時14分20秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2022年2月7日
撮影時間:09時14分14秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:カモ目 カモ科
全長:48.0cm
翼開長:82.0cm
分布:全国で稀な冬鳥。
生息環境:湖沼、河川、湿地、水田、干潟など。
食性:種子、青草など。
フォトギャラリー:第675回他参照
撮影難易度:★★★★☆
アメリカヒドリ(雄)
American Wigeon
Anas americana
撮影日:2022年2月7日
撮影時間:12時44分54秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR

撮影日:2022年2月7日
撮影時間:13時03分15秒
シャッタースピード:1/2500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
アメリカヒドリ イカルチドリ アメリカヒドリの腋羽
第689回 2022年3月1日