余録;彩雲
雲が七色に輝く珍しい気象現象。古来より瑞相とされる。小さく野鳥も写っている。
今や行き付けとなった河川敷の撮影ポイントで、ミサゴを狙ってみた。対岸でしばらく休んでは飛び立ち、川の上空を行き来している。ミサゴは足から水中に飛び込んで全身潜り魚類を捕食する世界唯一のタカとされる。準絶滅危惧の希少な野鳥だから探し出すのは大変だが、見つけてしまえばタカ科の中では撮影しやすい方だ。魚食性だから生息エリアは河川か海岸に絞られるし、ほぼ毎日同じポイントに居て、同じ川の上空を行ったり来たりしてくれる。しかも比較的低空飛行するし、時折停空飛翔(ホバリング)するのでクローズアップで撮影出来るチャンスも少なくない。この日はどんよりと曇っていたが、陽が差した瞬間に至近距離を飛んでくれ、わずかに晴れ間が覗いた青空の部分をバックに撮影する事が出来た。胸の紋様が薄いので雄と思われる。この個体とは別にもう1羽目撃したが雌雄は不明だ。
さすがに都会の真ん中を流れる河川なので、この撮影ポイントではカメラを構える人を少なからず見かける。三脚を担いで本格的にミサゴやトビなどのタカ科だけを狙っている人もいる。その人逹のシャッター音でタカの出現に気付く事もあるし、僕のシャッター音で逆の事もあるので、暗黙の内に持ちつ持たれつの関係にある。
ところで周囲には釣り人もいるのだが、彼らは鳥には興味が無く専ら魚だけを目当てにしている。こちらも魚には興味が無いからお互い特に接点も利害関係も無いのだが、魚が釣れない日はミサゴも苦戦するのではないかと仮説を立ててみた。だからそれとなく釣果を横目で見ながら、ミサゴの動きを予測出来ないか検証しようと考えている。ちなみにこの日は前日の雨で川が増水し、このポイントには釣り人もカメラマンも一人もいなかった。

初歩のバードウォッチング:飛び方参照
分類:タカ目 タカ科
全長:雄54.0cm 雌64.0cm
翼開長:155.0~175.0cm
分布:北海道から沖縄で留鳥。
生息環境:河川、海岸、湖岸。
食性:魚類。
レッドリスト:
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第22回第33回参照
イラストギャラリー:第2号参照
撮影難易度:★★★★☆
ミサゴ
Osprey
Pandion haliaetus
撮影日:2009年11月18日
撮影時間:13時57分21秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F11.2
撮影モード:マニュアル
焦点距離:600mm(換算900mm)
ISO感度:1600
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
ミサゴ 彩雲
第34回 2009年11月24日