余録;ホウロクシギとダイシャクシギ
実は2年前、両種のツーショットを撮影していた。平均値ではホウロクシギ(手前)の方が大きいはずだがダイシャクシギ(奥)の方が大きく見える。雌雄の別か個体差だろうか。両種の識別点は体下面や腰、翼下面の色で、ホウロクシギが褐色なのに対しダイシャクシギは概ね白い。
たまには大阪南港野鳥園情報も載せておかねばならない。珍鳥を求めてはるばる遠方へ出掛けなくとも、いつもと同じ大阪南港野鳥園にもこういう鳥は向こうから飛んで来てくれる。野鳥は分からないものだ。陽炎はさほどでもなかった筈なのにピントが甘いのは、そこそこ距離が有ったせいだろう。わずか数分しかチャンスが無かったから撮影出来ただけでも幸運だった。
他所では珍鳥でも、そこへ行けば普通種という典型的な野鳥の一つがこのシロガシラではなかろうか。沖縄へ旅行した事のある人のほとんどが見ているはずだが、僕はまだ探鳥で沖縄へ行った事は無く、当然初見だった。この時も発見者は沖縄経験者の人だった。画質が悪いのが悔やまれるが、この時、居合わせた十数人の鳥運の強い人たちの中に僕も含まれていた事に感謝したい。この日は午後からホウロクシギが北観察所の近くへ来て盛り上がった後、これと言った事も無く終ろうとしていた。僕はアジサシ類を狙って一旦歩いて外へ出て時空館の方へ行ったりして、戻って来て僅か数分後の出来事だった。沖縄へ行けば比較的容易に撮影が可能だろうという事で撮影難易度を星4個にしたが、もちろん他所では星5個相当だろう。
ホウロクシギは2年ぶりの撮影、フォトギャラリーには4年ぶりの掲載となった。この日、シロガシラの登場までは主役だったが、淡白な野鳥ファンたちによって、いきなり脇役に押しやられてしまった。この日の干潮は17時半頃のはずだったが、余程お腹が空いて待ち切れなくなったのかこの時間にはせっせと採餌を始めてくれた。嘴が長いので少々深い所に潜っている獲物でも捕食出来るからだろう。ホウロクシギのシャッターチャンスはこういう事になりがちで、4年前の掲載写真と同じパターンになってしまった。
類似種の識別:ダイシャクシギとホウロクシギ参照
Far Eastern Curlew
Numenius madagascariensis
分類:チドリ目 シギ科
全長:63.0cm
翼開長:110.0cm
分布:全国で旅鳥。
生息環境:海岸、干潟、水田など。
食性:カニ、エビなど。
レッドリスト:(VU)
フォトギャラリー:第50回参照
撮影難易度:★★★★☆
ホウロクシギ
撮影日:2014年5月20日
撮影時間:13時41分57秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:スズメ目 ヒヨドリ科
全長:19.0cm
翼開長:不詳
分布:沖縄などで留鳥。
生息環境:平地~山地の林、農耕地など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
Light-vented Bulbul
Pycnonotus sinensis
シロガシラ
撮影日:2014年5月20日
撮影時間:15時02分44秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:200
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
第139回 2014年5月27日
シロガシラ ホウロクシギ ホウロクシギとダイシャクシギ