全身が地味で下尾筒に特徴が有る不思議な鳥。名前はオジロビタキだが、むしろ白いのは下尾筒だ。雄成鳥夏羽は腮から喉にかけてが橙色だが、この個体にその特徴は無く、雌らしいとの話を聞いたが明らかではない。とにかくいい所に止まった時はじっとしておらず、ホバリングしながらフライングキャッチしたり地上採餌したりと動きが激しいので、この様に尾を立ててその特徴を見せてくれたところはなかなかゆっくり撮らせてくれない。こうして見るとなかなか均整の取れた姿だ。もし体操やフィギュアスケートの選手ならかなりの高得点を叩き出しそうだ。
オジロビタキについては亜種について論争が有るらしい。図鑑によれば亜種オジロビタキがユーラシア大陸に広く分布するのに対し、ユーラシア大陸西部に分布する亜種は新称ニシオジロビタキと称し、三列風切先端の淡色斑の形状や色が異なるとされる。比較するものが無いので定かではないものの写真で見る限りこの個体は前者の様にも見えるが、下嘴が肉色などの特徴からレンジャーによれば後者らしい。図鑑によっては迷鳥としているものも有る。
これまでフォトギャラリーでは分類については日本鳥類目録第6版(2000年)によって来た。最新の日本鳥類目録改訂第7版ではこの分類が大きく変更されたが、フォトギャラリーは対応出来てなかった。例えばフォトギャラリー第127回ではスズメを屈辱的な「ハタオリドリ科」と紹介したが、新分類では無事「スズメ科」となっている。馴染むまで時間が掛かりそうだが、新年度を迎えキリの良い所なので今後は出来るだけ新しい分類に沿って行きたい。因みにオジロビタキは新旧ともにスズメ目ヒタキ科で、ニシオジロビタキの記載は見当たらない。「日本鳥類目録に記載の無い野鳥」としても、フォトギャラリー始まって以来の初登場となった。
類似種の識別:オジロビタキとニシオジロビタキ参照
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:12.0cm
翼開長:21.0cm
分布:全国で稀な旅鳥または冬鳥。
生息環境:平地~山地の林、公園など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
ニシオジロビタキ(雌タイプ)
Red-breasted Flycatcher
Ficedula parva
撮影日:2014年3月11日
撮影時間:12時13分15秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:500
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
ニシオジロビタキ
第134回 2014年4月13日