大阪にも大阪なりにシャッターチャンスは有る。特に珍しい訳ではない筈だが撮影がそこそこ難しい2種が大阪南港野鳥園で撮れた。撮影してから日数が経ってしまったが、遅まきながら公表する。
サルハマシギは一昨年も飛来していたがタッチアンドゴーだったのでシャッターチャンスを逃してしまっていた。数少ない旅鳥で小さい図鑑には載っていない。珍鳥の一歩手前くらいの鳥だ。この日は近い所まで寄って来てくれたものの、陽炎がきつくてややピントが甘くなってしまった。
ヒクイナは警戒心が極端に強く、深い藪の中に隠れてなかなか姿を見せてくれなかった。「バードウォッチング」と言うよりも「バードウェイティング」と言った方が良いくらい一日中待ち続けた。その甲斐あってどうにか撮影出来たものの酷い草被りで苦しい写真となってしまった。しかし、これはこれでヒクイナの習性をよく表していると思う。MFレンズだから勿論MF撮影だが、この様な撮影条件ではAF撮影よりMF撮影が有利だ。AFでは手前の草にピントが取られてしまう。とは言えこの写真では草に合焦している様に見えなくも無い。ヒクイナは虹彩と足の赤さが目立つ。何とこの姿でツル目だ。開けた場所にはなかなか出て来ず、ちょっとした物音ですぐに藪の中へ逃げ込んでしまう。同じクイナ科のバンやオオバンは比較的容易に撮影出来るが、その他の種は個体数が多くなく警戒心も強いのでなかなか撮影のチャンスが無い。この一枚は数時間に及ぶ忍耐の末に撮影出来た。
野鳥園や水鳥公園には一般客も来園して見学する姿を見かけるが、野鳥が見られないとすぐに諦めて立ち去ってしまう人が多い。動物園みたいにずらりと鳥たちが並んでいるところを期待しているのだろうか。諦めてしまうのが余りにも早過ぎる。最低でも1時間くらいは辛抱しないと大抵の野鳥たちはそう簡単には姿を見せてくれない。その退屈な「バードウェイティング」が有ればこそ野鳥たちは素顔を見せてくれるし感動を与えてくれる。
分類:ツル目 クイナ科
全長:23.0cm
翼開長:37.0cm
分布:東北以北で夏鳥、それ以外で留鳥または漂鳥。
生息環境:湖沼、池、河川、水田など。
食性:魚類、昆虫、甲殻類、種子など。
レッドリスト
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
ヒクイナ
Ruddy-breasted Crake
Porzana fusca
撮影日:2013年6月11日
撮影時間:15時12分03秒
シャッタースピード:1/125秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:チドリ目 シギ科
全長:21.5cm
翼開長:39.0cm
分布:全国で旅鳥。
生息環境:干潟、河川、水田など。
食性:甲殻類、甲類、ゴカイなど。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
サルハマシギ
Curlew Sandpiper
Calidris ferruginea
撮影日:2013年5月6日
撮影時間:12時52分10秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
サルハマシギ ヒクイナ
第116回 2013年7月3日