今回は舳倉島の野鳥たちのオマケ画像だ。これらの鳥は大阪でも普通種だが、撮影はそれほど簡単ではない。
野鳥のネーミングにおいては、「アオ」は大抵の場合緑色を指し、青には「ルリ」が使われている事が多い。コルリは暗い藪の中からなかなか出て来ないので撮影に苦戦するが、この時は明るい草原の真ん中に居た。この個体には幼羽が残っている様に見え若鳥と思われる。
ルリビタキは割と良く見るもののここまで青くなるには4、5年くらい掛かるとされ、大抵はまだ青くない若鳥あるいは雌しか目にする事が出来ない。オオルリがヒタキ科なのに対し、コルリとルリビタキはツグミ科だ。もっとも、ヒタキ亜科とツグミ亜科をヒタキ科という大きなくくりの中で一緒にしている図鑑も有る。
舳倉島と言えども野鳥の楽園かと言えば、ここにも厳しい弱肉強食の自然の掟が有った。草原の小道を歩いていた僕の目の前を突如ハイタカが横切った。小鳥たちが最も警戒しなければならないハンティングの名手であり天敵中の天敵だ。とは言え、それでもなお籠の中とは異なるこういう危険を含めた自然の営みこそが野鳥たちにとっての楽園なのではないだろうか。
ところで今回、舳倉島で撮った写真を整理していて、間違ってツリスガラと思しき撮影データを消去してしまった。フィルムカメラにも感光のリスクは有るが、過去に感光させてしまった事は無かった。デジカメになってからミヤマホオジロやマヒワのデータを消してしまった事が有るから、僕にとってはデジタルの方がフィルムよりもリスクが高い。削除データを復活させるソフトも市販されている様だが、全てのデータが復活出来るとは限らない。今回はツリスガラ程度の鳥だったから良かった様なものの、これが珍鳥だったらと思うと背筋が凍る思いだ。
掲載は見送ったが、今回舳倉島ではセイタカシギやチュウサギなども撮れた。だが、本命と思って狙っていた野鳥たちには遂に会えなかった。舳倉島はまだまだ本気を出していない。しかし、一度に全て思い描いた通りに行くとは期待していなかった。これこそが造り物のテーマパークとは違う面白さだ。だからこそ、きっとまたいつか僕はここに戻って来るだろう。

セイタカシギ:フォトギャラリー第52回第62回第103回参照
チュウサギ:フォトギャラリー第55回参照
分類:タカ目 タカ科
全長:雄32.0cm 雌39.0cm
翼開長:60.0~79.0cm
分布:本州以北で留鳥または冬鳥。
生息環境:森林、農耕地。
食性:鳥類、小型哺乳類など。
レッドリスト :
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第30回第43回第70回第102回参照
撮影難易度:★★★★☆
ハイタカ
Eurasian Sparrowhawk
Accipiter nisus
撮影日:2013年5月5日
撮影時間:13時06分23秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ツグミ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:第42回第96回第104回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ルリビタキ(雄)
Red-flanked Bluetail
Tarsiger cyanurus
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:12時48分56秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ツグミ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:中部以北で夏鳥、それ以南で旅鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:昆虫、蜘蛛、ミミズなど。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
コルリ(雄)
Siberian Blue Robin
Luscinia cyane
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:11時48分44秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
コルリ ルリビタキ ハイタカ
第115回 2013年6月26日