識別が難しく野鳥ファンを悩ませるジシギ(タシギ、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギ)の4種。羽を広げてくれれば比較的識別しやすいはずだが、この様に閉じていると手を焼く(と言うよりほとんどお手上げ)。5年前島根県の宍道湖グリーンパーク付近の湖畔を歩いていたら突然足元から飛び立ったので咄嗟に連写した(実は撮影順は2枚目→1枚目→3枚目)。秒間4コマのカメラだから0.75秒の間にこの3枚しかマトモな画像として残せなかった。撮影出来たまでは良かったが同定に自信が無くそれ以来5年間ずっと掲載を見合わせていた。先日ようやく信頼するレンジャーに同定してもらう機会を得て晴れて掲載の運びとなった。
レンジャーに同定してもらったとは言うものの当然その前に自分でも同定しようとトライした。いつもレンジャーに頼っていては上達しない。同定してもらった後からなら何とでも言えるが自分でもチュウジシギっぽいと思っていた。僕なりにその根拠を示しておくと、タシギなら相対的に嘴の長さの比率がもう少し大きいし次列風切の羽先が白いから消去法でまずタシギの線は消える(フォトギャラリー第248回参照)。ただし北米の亜種は次列風切の羽先の白色は不明瞭とされるので通常日本には分布しないはずだが一応要注意だ。オオジシギは全体的にもう少し淡色だしレンジャーによれば足元から飛び立つ事はあまり無くもっと手前で逃げてしまう傾向が有るそうだ。ハリオシギの可能性は最後まで残って悩んだがハリオシギは尾が短く寸詰まりだから尾の先からの足指の突出がもう少し大きい筈だ。という事でチュウジシギと考えた訳だが、どの識別点も微妙なうえ一部図鑑によれば時季的にはチュウジシギは春に少なく秋に多いとされるのがネガティブ要素だ。レンジャーは次列風切あたりの羽先の淡色斑の感じとか翼下面の紋様の感じとかを見ていた。ここに画像は無いが図鑑によれば尾羽の枚数は18~26枚で通常20枚、外側尾羽は暗色部が主体で淡色の斑が少し入るから冒頭で触れた通り尾羽を広げてくれさえすればもっと識別は楽なはずだ。画像だけではなく発した声をよく覚えておく事も有力な手掛かりになるらしいのだが撮影するだけで精一杯の僕にはそんな余裕が無い。

タシギ:フォトギャラリー第248回他参照
類似種の識別:タシギとチュウジシギ参照
分類:チドリ目 シギ科
全長:27.0cm
翼開長:45.0cm
分布:全国で旅鳥。
生息環境:農耕地、湿地、河原、草地など。
食性:ミミズ、幼虫、貝類など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
チュウジシギ
Swinhoe’s Snipe
Gallinago megala
撮影日:2012年5月3日
撮影時間:09時47分21秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:島根県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2012年5月3日
撮影時間:09時47分20秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:島根県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2012年5月3日
撮影時間:09時47分20秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:島根県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
チュウジシギ
第293回 2017年5月12日