大阪に戻ったものの、図らずもツバメ科が続く事となった。
前回、出雲まで遠出した結果撮影出来たイワツバメが、意外にも自宅から徒歩圏で撮影出来た。しかも撮影日時を見比べて頂ければ分かる通り、コシアカツバメも同じ場所で撮れた。普段あまり見る事の出来ない2種が、交錯しながら飛び回っていた。この日はツバメも撮影したので、主に本州で繁殖するツバメ科を1日で網羅してしまった訳だ。ツバメ科は人間に対する警戒心が希薄だが、飛翔中の撮影は難しい。こういうすばしこい被写体を狙う時は300ミリくらいのレンズで手持ち撮影し後でトリミングするのが妥当だろう。F値に無理が無くシャッタースピードも稼げるので動きを止める事も可能だ。僕は右目でファインダーを覗き、左目は肉眼で、つまり両目で被写体を追うようにしている。今回はAF撮影したが、この機種ではファインダーの中央付近に被写体を捕捉し続けなければならないしAF追従能力はカメラとレンズの性能にも左右されるので、難しい場合は置きピンで狙うのもひとつの方法だ。ツバメは野鳥撮影の練習にはうってつけだ。ツバメが撮れれば大抵の野鳥は難なく撮れるだろう。仕上がった写真もダイナミックなものになりやすい。
イワツバメは実に巧妙に用水路に架かる橋の下に営巣している様だった。天敵が巣に近付く為には用水路を泳ぎ垂直の橋脚をよじ登らねばならない。洞窟の様になっている橋の下だから上空からも見えない、おあつらえ向きの場所だ。元々洞内に営巣する習性がある様だ。
コシアカツバメはうっかりするとツバメと見間違えてしてしまう。ツバメだと思ってもまめに確認しなければ見落としてしまう。
今回は予想外の収穫だった。わざわざ遠方に出掛けなくても身近な所にも野鳥がいる事を忘れかけていた。

ツバメ:フォトギャラリー第11回参照
類似種の識別:イワツバメとショウドウツバメ参照
初歩のバードウォッチング:撮影参照
分類:スズメ目 ツバメ科
全長:19.0cm
翼開長:32.0cm
分布:九州以北で夏鳥。一部越冬。
生息環境:住宅地、農耕地、海岸など。
食性:昆虫。
フォトギャラリー:第11回参照
撮影難易度:★★★☆☆
コシアカツバメ
Red-rumped Swallow
Hirundo daurica
撮影日:2012年5月16日
撮影時間:12時52分14秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ツバメ科
全長:15.0cm
翼開長:30.0cm
分布:九州以北で夏鳥。
生息環境:平地から高山。
食性:昆虫。
フォトギャラリー:第83回参照
撮影難易度:★★★☆☆
イワツバメ
Asian House Martin
Delichon dasypus
撮影日:2012年5月16日
撮影時間:12時48分57秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
イワツバメ コシアカツバメ
第84回 2012年6月25日