猛暑に阻まれて外出を控えていてなかなか探鳥に出る事が出来ない。と言うのも私ごとだが先日熱中症でダウンしてしまいその怖さを実感したからだ。バードウォッチャーなら誰しも他人事ではないはずだから参考までにここでその顛末について述べておきたい。その日は探鳥に出ようか止めておこうか迷った末にパスすることにした。そしてその日の午後いつもの様に自宅でパソコンを使っている時だった。前日と比べて幾分涼しくクーラーはおろか扇風機も使わないほど暑さを感じなかった。しかし水だけは小まめに飲んでいた。すると突然、本当に突然何の前触れも無く頭から血の気が引いて平衡感覚が無くなり目が回り出した。100回くらいグルグル回された様な激しい目の回り方に驚く間も無く手が痙攣して震えだし眼球が微細動(そもそも目が回ったのはこのため)したあと胃から突き上げる様な激しい吐き気に襲われた。2分くらいその症状が続き自分ではどうする事も出来ない状態で何が起きたのかも分からず恐怖すら感じながらじっと耐えるしかなかった。熱中症かもと直感し慌てて手元の水を飲みじっとしていると少し和らいだので苦しさと恐怖に耐えながら何とかパソコンで熱中症の症状を検索すると正にこの様な症状が書かれていた。水分の他に塩分の補給が必要な事を思い出し台所まで這って行き手近にあったマヨネーズを大さじ3杯分くらい舐め氷水を飲むとだいぶ治まって来た(マヨネーズが熱中症に効くかどうかは保証の限りではない)。扇風機に当たりながらしばらくじっとしていたが気持ち悪さがなかなか取れず自分で救急車を呼んだ(こういう症状の時は脳梗塞などもっと怖い病気の可能性も有るので遠慮せず救急車を呼んだ方が良い)。救急車はあまり乗り心地は良くないうえ普段車に乗る時とは違う姿勢で横に寝かされていると車酔いも手伝ってまた吐き気がして来て病院までの道のりがとても長く感じられた。診断の結果はやはり熱中症の可能性が高いとのこと。ベッドの上で点滴を受け安静にしているとようやく症状が治まった。
医師の話などを総合するとどうやら犯人は塩分の不足らしいと思われた。僕は5年ほど前に脳出血をやらかしていてその原因が高血圧だったので普段から塩分を控えた食生活を心掛けているがそれが逆に仇となってしまった様だ。日本気象協会などのHPによれば熱中症予防の為と思って水分だけを補給し塩分を摂らないと血液中の塩分濃度を却って下げてしまうらしい。さほど暑さを感じなかったのに突然熱中症が襲って来たのは水分だけの補給が引き金となってたまたまこの瞬間に臨界点を超えたからと思われる。医師によれば水よりは塩分などの含まれるスポーツドリンクなどの方が良いとのこと(スポーツドリンクの成分は点滴とほぼ同じと言われる)。僕の場合は高血圧との兼ね合いでその分量が難しいところだが夏場は小まめに血圧をチェックしながらほど良く塩分を多めに摂る事を心掛けなければならないこと、そして涼しく感じるからといって油断してはいけないという教訓を得た。疲労や睡眠不足が重なっていたことも良くなかったらしい。運が良かったのは外出先ではなく自宅だったので自分で応急処置が出来たことだ。この日は前述の様に迷った末に外出を控えたが熱中症は最悪の場合死に至ることも有るからもし探鳥に出ていて炎天下の原っぱの真ん中や電波の届かない山の中だったらどうなっていたかと思うとちょっと怖くてしばらくはあまり無理出来ないというのが実感だ。人は自分の経験したことの無い事柄については何故か自分は大丈夫と変に過信してしまう傾向が有るのではないだろうか。この時季は誰にも起こり得る事なので決して自分は大丈夫などと甘く考えず熱中症対策についてきちんと備えて頂ければ僕の救急搬送も結果的に少しは世の中の役に立ち無駄にはならなかったという事になる(かな?)。
さて、ここからが本題。
そんな事情で前回没にしたサンコウチョウを抜擢し場繋ぎすることにした。前回没にした理由は説明しなくても画像を見れば分かってもらえるだろう。
分類:スズメ目 カササギヒタキ科
全長:雄45.0cm 雌18.0cm
翼開長:28.0cm
分布:本州以南で夏鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:昆虫。
フォトギャラリー:第303回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
サンコウチョウ(雄)
Japanese Paradise Flycatcher
Terpsiphone atrocaudata
撮影日:2018年7月18日
撮影時間:09時00分37秒
シャッタースピード:1/125秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
サンコウチョウ
第395回 2018年8月10日