地元山間部のバードウォッチは相変わらず鳥影が少なく苦戦している。しかし苦しいなりにも頑張れば野鳥の撮影は可能だ。普通種と言えど野鳥は野鳥、今の僕には貴重な被写体だ。ちょっと前まで「なぁんだメジロかぁ・・・」などと馬鹿にしていたがそれが今は真面目にカメラを構える様になっている。何か他のものが混ざっている可能性も有るから手を抜く訳には行かない。数羽のメジロがこの寒いのに咲いている小さな花の蜜を吸いに来ていた。こうして受粉を助けているという側面もある。
そしてカシラダカ。見た目も地味な普通種だが他の野鳥たちと同様出が悪く他種の可能性も有るので木々が被る厳しい撮影条件のもと懸命に撮影した。やっと撮ってみたら普通種でがっかりする事など日常茶飯事だからいちいち気にしてられない。彼らとてカメラの前でポーズを取らねばならない理由は無いのだから簡単に撮れないのが当たり前で撮れる方が不思議なのだ。カシラダカにしても「普通種だからって簡単に撮れると思うなよ」と言いたいのかも知れない。
山地の野鳥たちが余りに厳しいからという訳ではないが目先を変えて平地へ下りてみたらジョウビタキの雄が複数箇所で撮れた。その内の一つがこの雄だ。今季はここまで雌タイプしか撮れておらずようやく雄のお出ましとなった。例年ならいちいちカメラを向けない様な言わば初心者向けの野鳥だが今回は初心に戻った気持ちで撮影した。普通種なんか無理してHPに載せなくてもいいという声も聞こえて来ることが有るがどの世界でも最も単純なルーチンを繰り返すのが最も難しいと言われる。どうしても華やかな表舞台の成功にばかり目を向けられがちだが舞台裏で基本を忘れず地道にコツコツと探鳥を継続する中でスキルアップしどこかでそれが生きて来て珍鳥を見つけたり知らなかった生態を目撃したり決定的なシャッターチャンスをモノにしたり出来るのだと思う。今回はそうした普段の探鳥の言わばバックヤードの部分だ。
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:住宅地、農耕地、林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:第434回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ジョウビタキ(雄)
Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
撮影日:2019年1月19日
撮影時間:08時23分43秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:15.0cm
翼開長:24.0cm
分布:本州以南で冬鳥。北海道で旅鳥。
生息地:平地~山地の林、農地など。
食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。
フォトギャラリー:第435回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
カシラダカ
Rustic Bunting
Emberiza rustica
撮影日:2019年1月17日
撮影時間:09時47分47秒
シャッタースピード:1/3200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 メジロ科
全長:12.0cm
翼開長:17.5cm
分布:全国で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の林、農地など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実、花蜜など。
フォトギャラリー:第434回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
メジロ
Japanese White-eye
Zosterops japonicus
撮影日:2019年1月18日
撮影時間:09時25分04秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
メジロ カシラダカ ジョウビタキ
第436回 2019年1月23日