フォトギャラリー・レイアウト編
YouTube動画:フェリーとバスで行く北海道横断バードウォッチングの旅③
         ・北海道バスニュースター号・阿寒バス釧路羅臼線BGM無し版参照
ウミウ:フォトギャラリー第392回他参照
シマフクロウが照明の外へ飛び去ってしばらく経ったので満足感に浸りながら祝杯を上げる。この日の献立は刺身やキンキの煮つけなど。メフンというシャケの血合いも出された。初めてだと思って食べてみたらどこかで食べた事の有る味だった。この日は大きな目的を達したので明日に備えて早々と就寝した。
鷲の宿の夕食
と思いを巡らせながら弱い照明に照らされた川の一角にカメラを向けて眺めていると大きな塊が降りて来たのが見えた。シャッターを切りながら「来た来た!」と小声で叫ぶ。料理の準備をしていた女将さんが素早く部屋の照明を落として初めてお喋りをしていた常連さん達も気付き撮影が始まった。こんなに早い時間から来るとは誰も予測していなかったらしくちょうど食堂に来た人も居て慌ててカメラを構える。何と夕食前に会えた。しかも感動に浸りながら撮影しているともう1羽飛来して先に来た1羽を追い払うシーンも見せてくれた。先に来た方は左足に足環が付いていて雄、後から来た方は足環が無く雌だそうだ。雌雄が同時に見られる事は滅多に無く大変な幸運だとの事だ。雄は魚を呑み込んで行ったがこの雌も魚を捕まえている(本種3枚目)。日本のフクロウ科の中で最大とされ個体数はわずか100羽程度と見られている。地元の人ならともかく僕の様に遠征してランダムに探鳥して見つかる相手ではない。ここには見学のつもりで来たがまさかこんなにすんなり見られるとは思ってなかった。
因みに英名と学名にはブラキストンの名が付いている。ブラキストンは津軽海峡に生物学的な境界線(ブラキストン線)が存在する事を指摘したイギリス人だ(フォトギャラリー第146回第386回参照)。シマフクロウはそのブラキストン線の北側にしか居ない。
分類:フクロウ目 フクロウ科
全長:63.0~70.0cm
翼開長:175.0~185.0cm
分布:北海道で局地的に留鳥。
生息環境:平地~山地の河川、林、森林など。
食性:魚類、甲殻類、小型哺乳類、鳥類など。
レッドリスト:絶滅危惧ⅠA類(CR)
指定:天然記念物
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
シマフクロウ(上・中手前=雄、中奥・下=雌)
Blakiston’s Fish Owl
Ketupa blakistoni
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:17時21分37秒
シャッタースピード:1/80秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:6400
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:17時21分31秒
シャッタースピード:1/80秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:6400
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:17時18分39秒
シャッタースピード:1/80秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:6400
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
宿でひと風呂浴びカメラを持って別棟の食堂へ向かった。この宿を取った目的はシマフクロウだ。食堂はそのまま川に向いた観察窓になっていて既に数人の宿泊客がカメラをスタンバイさせていた。川にはシマフクロウのに配慮した80分の1秒に1回発光する特殊な照明が向けられていてシャッタースピードを80分の1秒に合わせておかねばならないと言う。ストロボは当然使用禁止。宿はシマフクロウの生息する川に面して建っている。しかし相手は自然界の生き物。必ず見られるという保証は無い。事実前日は夜中の3時になるまで見られなかったと言う。僕は翌朝始発で出立しなければならないのであまり遅くまで頑張れない。こればかりは運次第だ。
鷲の宿の食堂
宿に戻ると川岸から何かが飛び立つのが見えた。白いがくっきりと見えオジロワシだと気付いた。だが時既に遅し、飛び去る後ろ姿をどうにか押さえたが見ての通りの画となってしまった。
分類:タカ目 タカ科
全長:雄80.0cm 雌95.0cm
翼開長:180.0~230.0cm
分布:本州以北で冬鳥または留鳥。
生息環境:海岸、河川、湖沼など。
食性:魚類、両生類、哺乳類などの主に屍肉。
レッドリスト:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
指定:天然記念物
フォトギャラリー:第78回他参照
撮影難易度:★★★★☆
オジロワシ
White-tailed Eagle
Haliaeetus albicilla
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:15時59分55秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラム
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1600
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
市街地に戻ってみると羅臼岳の雲が晴れて絶景が見られた。薄く冠雪している。羅臼は知床国立公園、世界自然遺産の知床半島の一角。
10月27日 15:27
羅臼岳
クジラの見える丘公園から来た道を戻って坂道を下っていたら眼下の岩礁にウの群れが見えた。近い所から望遠レンズを覗くとウミウとヒメウの混群が休んでいた。
分類:カツオドリ目 ウ科
全長:73.0cm
翼開長:98.0cm
分布:本州以南で冬鳥、北海道で留鳥。
生息環境:沿岸、河川など。
食性:魚類など。
レッドリスト:絶滅危惧ⅠB類(EN)
フォトギャラリー:第392回参照
撮影難易度:★★★★☆
ヒメウ(中央2羽)
Pelagic Cormorant
Phalacrocorax pelagicus
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:14時14分25秒
シャッタースピード:1/400秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
更に道を進んでクジラの見える丘公園に登ってみたがクジラは見えなかった。羅臼ではシーズンになるとホエールウォッチングの観光船が出るが今はシーズンオフで観光客も少ない。僕にとっては野鳥が見られれば良いから世間のシーズンオフはあまり関係が無い。
10月27日 13:51
クジラの見える丘公園からの眺望
宿に荷物を降ろし周辺を歩いてみた。道路に出て海を見るなり数羽のカモが見えた。望遠レンズで見てもよく判らない。図鑑で見た記憶は有るが初見だ。別種と勘違いしながらも本腰を入れて撮影した。後で調べてみてシノリガモと判った。
分類:カモ目 カモ科
全長:43.0cm
翼開長:66.0cm
分布:主に北日本で冬鳥。少数が繁殖
生息環境:海岸。
食性:貝類、甲殻類、魚類など。
レッドリスト絶滅のおそれのある地域個体群(LP)東北地方以北のシノリガモ繁殖個体群
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
シノリガモ(上=雄、下=雌)
Harlequin Duck
Histrionicus histrionicus
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:13時13分43秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:13時03分31秒
シャッタースピード:1/2500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
宿に着くなり荷物を降ろす間も無く前を流れる小川にカワガラスの姿を見つけた。
分類:スズメ目 カワガラス科
全長:22.0cm
翼開長:31.0cm
分布:九州以北で留鳥。
生息環境:平地~山地の渓流、河川など。
食性:水生昆虫、魚類、甲殻類など。
フォトギャラリー:第520回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
カワガラス
Brown Dipper
Cinclus pallasii
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:13時01分54秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
今夜の宿「民宿鷲の宿」ではバス停からの送迎をしてくれるという事だったが道すがら探鳥したかったので道の駅から歩いて宿へ向かった。途中野鳥の声は聞こえたが撮影は出来なかった。翌朝は早いので朝食無しで1泊1食と観察舎利用料を合わせて9000円。ビールが500円。
10月27日 12:24
民宿鷲の宿
レストランで窓際の席に着いて窓の外を眺めていると海上をカモメ科の群れが飛び交っていた。国後島を背景にカモメが飛んでいたので撮影。今回でフォトギャラリーも第600回となったが何とカモメはフォトギャラリーに1度も載せた事が無く今回が初登場だ。
分類:チドリ目 カモメ科
全長:45.0cm
翼開長:118.0cm
分布:九州以北で冬鳥。
生息環境:海岸、沖合、湖沼、河川など。
食性:魚類、ゴカイ、エビなど。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★☆☆☆
カモメ
Mew Gull
Larus canus
撮影日:2020年10月27日
撮影時間:11時23分46秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
サバ焼き定食950円を平らげる。
サバ焼き定食
羅臼本町バス停から歩いて道の駅知床・羅臼のレストランに向かった。ここで昼食。
10月27日 11:05
道の駅知床・羅臼
知床半島の海岸沿いに出ると沖には国後島が見えて来る。いよいよ最果ての地へやって来た。今回は釧路で1泊したが夜行バスに乗り継げば大阪から羅臼へ3日目に来る事も可能だ(勿論飛行機などを利用すればもっと速い)。ともあれこの旅では4日目になった訳だ。
10月27日 10:35
阿寒バスの車窓風景
日本で唯一地平線が見られると言う根釧台地に差し掛かると遥か彼方まで延々と直線道路が続く。
阿寒バス釧路羅臼線の前面展望
車窓には牧場が点在する。バスが市街地を通る時には多少の乗客の乗り降りが有ったが都市間の部分では僕一人の貸し切り状態だった。
10月27日 09:12
阿寒バス釧路羅臼線の車窓風景
07:25発の羅臼への路線バスに乗車するべく早朝宿を出て釧路駅前へやって来た。羅臼到着は11時頃の予定。ここから先はひたすら一般道を走る。3時間半の長丁場で途中休憩や運転手の交代が有る。下車時に現金払いしても良いが釧路駅前バスターミナルの窓口でチケットを買った。羅臼本町まで片道4,940円。
10月27日 07:20
阿寒バス釧路羅臼線
第600回 2020年11月23日