Osprey
Pandion haliaetus
第2号 2009年1月23日
ミサゴ
またPhotoShopで野鳥を描いた。誤解のない様に念押しするが、PhotoShopを描画ソフトとして使用したのであって、写真を画像処理したのではない。すなわち純然たる「イラスト」なのだ。今回はデッサンが狂いやすく、完成まで四日ほど掛かった。
この作品は写真を基にして描いた。ミサゴは準絶滅危惧種で、野鳥ファンでも見た事のない人がいる程だから、撮影出来たのは全く幸運だった。トンビ大の大型猛禽類で、河川や海岸などの上空(比較的低空)を直線的に往復し、足から飛び込んで魚類を捕獲する。タカ科に分類されているが、単独でミサゴ科と分類される事もある。例によって1時間当たり数本しか飛んでくれないので、狙って撮影するには根気が必要だ。この時は川幅があったので岸からの撮影には限界があり、橋の上で待ち構えて撮影した。ほぼ雌雄同色で判別が難しいが、この個体は胸の模様がやや薄い様なので雄と思われる。
実は最初に遭遇した時、遠目だったのでカモメか何かと勘違いして危うく見過ごす所だった。しかし念のため押さえで撮影したのをモニターで確認して、見た事のない猛禽類と分かった。こういう事もあるので、たとえ見慣れた鳥と思っても一応撮影する様に心掛けている。実際、撮影後に新顔と気付いた野鳥は結構多い。ただでさえ外見や習性が似通った類似の野鳥は同定が難しいし、異種の野鳥が雌雄幼鳥入り混じって混成集団を形成する事もあるから、肉眼で判別するのは困難であり見損じの危険性もある。フィルムカメラなら被写体を見定めてシャッターを切るというスタイルになりがちだが、デジタルでは幸いメモリーカード1枚に数百枚から千枚単位の写真が記録出来るし、その場で削除も出来るから、失敗を恐れず大量の撮影が可能だ。最近のデジイチは省電力化されていてバッテリーも千枚分くらい持つし、現像にコストが掛からないので、フィルムと比較すれば自ずと撮影スタイルは違ったものになる。また、野鳥に向けてストロボを焚くのは何としても避けるべきだから、高感度域が桁違いに進化して来た事により、撮影フィールドが広がったのは間違いない。
ミサゴ
分類:タカ目 タカ科
全長:雄54.0cm 雌64.0cm
翼開長:155~175cm
分布:北海道から沖縄で留鳥。
生息環境:河川、海岸、湖岸。
食性:魚類。
レッドリスト:準絶滅危惧(NT)