前回に続き普段行かない所へ行くというテーマで、鳥取県の大山への行き帰りに岡山県の蒜山高原に立ち寄り、およそ野鳥観察スポットらしからぬ有り触れた里山の農耕地を歩いてみたら、それとなくテリトリーを主張する1羽の小鳥と出会った。それが撮れそうで撮れなかった夏羽のノビタキだった。夏羽は北海道か中部以北の高原へ行かないとなかなか見られない。過去に撮影したものは全て冬羽または雌タイプだ。ここは鳥が居そうだとか居なさそうだとか決め付けずに、どこでも歩いてみるものだ。僕は性格的に、山が有るととりあえず頂上まで登ってみないと気が済まない。だから、そういう所に生息する種としか会えない傾向が有る様な気がする。自分の癖に気付かないと、出会う野鳥も知らず知らず偏るのではないだろうか。今回は地元で仕入れた散策マップを頼りに歩いていて、思わず地図に載っていない道に引き込まれる様に進路を取り、どんな所へ続いている道なのか極めずにはおれなくなって高原の農耕地を果てしなく歩いている内にたまたま出会ったのがこのノビタキだった。
カケスは割とどこの里山でも見かけるが、この時はひと気の無いキャンプ場で腰を据えてカメラを構えていたら、急に至近距離に現れて、どんぐりか何かを採餌しだした。光線の状態が良ければ割とインパクトの有る綺麗な鳥だし、中型の鳥なので近くで見ると存在感が有り、ついついシャッターを切ってしまう。
今回は有り触れた普通種2種だったが、こういう効率の悪い探鳥もたまにはいいもんだと思った。むしろこれがバードウォッチングの原点ではなかったか。行動パターンが偏ると鳥相も偏るしマンネリ化してしまう恐れが有る。有名な野鳥スポットに行ったり、どこそこに珍鳥が出たという情報を聞いて駆け付けたりすれば確かに効率がいいから一つの楽しみ方なのだけど、それだけではバードウォッチングの幅が狭くなってしまう様な気がする。僕の想像力を超えた、もっと深い世界なのではなかろうか。
Eurasian Jay
Garrulus glandarius
撮影日:2014年4月10日
撮影時間:10時08分51秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:岡山県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
カケス
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:13.0cm
翼開長:20.5cm
分布:北海道などで夏鳥、その他で旅鳥。
生息環境:平地~山地の草原、農耕地など。
食性:昆虫、蜘蛛など。
フォトギャラリー:初登場(携帯電話待受画面サイズを除く)
撮影難易度:★★★☆☆
分類:スズメ目 カラス科
全長:33.0cm
翼開長:50.0cm
分布:九州屋久島以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:木の実など。
フォトギャラリー:第17回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ノビタキ(雄・夏羽)
Common Stonechat
Saxicola torquatus
撮影日:2014年4月8日
撮影時間:12時21分06秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:200
撮影地:岡山県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
ノビタキ カケス
第138回 2014年5月21日