余録;ノウサギとホンドギツネ
大山隠岐国立公園内の山中の駐車場脇の茂みの中で突然ガサガサッと音がした。もしや熊か!?と身構えたら1羽のノウサギがこちらに向かってまっしぐらに突進して来たかと思うと血相を変えて僕の脇を一目散に駆け抜けて行った。少しして再び茂みからガサガサッと音がしたかと思うと今度は1匹のホンドギツネが現れ、僕の姿を認めるとすごすごと茂みの中へ戻って行った。ノウサギはまんまと僕を利用して天敵を振り切った様だ。本能的に人間を利用したのか咄嗟の機転なのか、もし後者なら天才兎だ。因みに兎を数える単位は鳥と同じ「羽」だ。余談だが20年前にはここ大山でノウサギを追うヤマイヌを見た事が有る。
いつも同じ所にばかり行っているとどうしても鳥相が偏る様な気がして、20年以上前に仕事していた鳥取県の大山に久々に野鳥を見に行った。ゴジュウカラは木の幹に逆さに止まり頭を下にして動き回る。よく通る声でさえずりながら採餌するので見つけやすい。だがこの時は夕方の林の中で強烈な逆光という悪条件で、1段近くプラス補正していたにも関らず真っ黒になってしまい、現像ソフトでかなり強引に補正した。名前は似ているがシジュウカラとは異なりゴジュウカラ科として分類されている。
コガラは最初エナガかと思ったくらい雰囲気が似ている。すばしこさもエナガといい勝負で撮影は結構悪戦苦闘した。しかもエナガより警戒心が強いらしく、不用意に近付くと逃げられる。よく比較されるシジュウカラはネクタイ、ヒガラは前掛け、コガラは蝶ネクタイ模様だ。ハシブトガラと似ているがの黒い部分がぼやけてに広がる。キーコーキーコーと森の妖精がオモチャのバイオリンを練習している様な音色が聞こえたが、それがコガラのさえずりだった。

シジュウカラ:フォトギャラリー第4回第81回参照
ヒガラ:フォトギャラリー第8回第95回参照
エナガ:フォトギャラリー第8回第95回参照
初歩のバードウォッチング:止まり方参照
分類:スズメ目 シジュウカラ科
全長:13.0cm
翼開長:20.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
コガラ
Willow Tit
Poecile montanus
撮影日:2014年4月9日
撮影時間:07時46分55秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:鳥取県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ゴジュウカラ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
ゴジュウカラ
Eurasian Nuthatch
Sitta europaea
撮影日:2014年4月8日
撮影時間:17時12分25秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:200
撮影地:鳥取県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR

ゴジュウカラ コガラ ノウサギ ホンドギツネ
第137回 2014年5月14日