余録;キンイロジョウカイ
最新の日本鳥類目録(第7版)に掲載されている野鳥種は633種だから全てを撮影出来ないまでも頂上が見える所に有ると思えるが昆虫は3万種とも言われ余りにも途方も無い数字にドン引きしてしまいその世界に入って行くのは敷居が高い。
地元ではちょっとにわかには信じ難い野鳥が撮れた。暗い林の中だったので超高感度に加えスローシャッターにならざるを得ずブレブレにザラザラ、しかもボケピン。この時季このルックスで可能性が高いのはキビタキの雌だが下嘴が黒くなく雨覆などに淡色の羽縁が見えない。またオオルリの雌にしても下嘴が黒くなく体下面が白っぽい。僕にはニシオジロビタキっぽく見えたが自信が無かったのでレンジャーに見てもらったところヒタキ科は見当違いでウグイス科かヨシキリ科っぽく見えるが該当する種が思い当たらないと言う。ウグイスにしては体上面の褐色味が強いので一番近いのはチョウセンウグイスではないかとの事だった。しかし眉斑が薄く見えるので同定には至らなかった。つまり過去に日本国内で確認されたどの野鳥にも該当しないという事になる(こういう場合プロほど明言を避けるがこの画像では無理も無い)。こんな所(地元)に珍鳥なんか居るはずが無いと決めつけたくもなるが毎年の様に大阪のどこかで誰かが珍鳥を見つけているし実際大阪市内で何度かそういうのを撮影する機会は有った。もちろんSNSなどを駆使して情報を追い掛けていればそういう事も珍しくないし最近も書いた通り過去には大阪周辺でコイカル、シマノジコ、キマユムシクイなど珍鳥と呼ばれる野鳥(フォトギャラリーでは星4個以上)やそれに準ずる珍し系の野鳥たちを偶然見つけた事も有るからどんな可能性だってゼロではない(フォトギャラリー第123回第231回第410回など参照)。過去を遡れば10年前、大阪南港野鳥園のシベリアオオハシシギ騒動勃発の直前たまたま気付かず撮影していたという事も有った(フォトギャラリー第46回参照)。誰かが最初に見つける珍鳥、その最初の一人になるのは並大抵ではない。そういう星の下に生まれた人か特別なスキルを持っている人か誰よりも探鳥をしている人か、それとも僕みたいに何かに憑りつかれた人か(?)のいずれかだろう。そんな訳で退屈しのぎの話のネタにハテナ付きで掲載する事にした。もし間違っていても命までは取られないんだからいずれ訂正する羽目に陥るまでのお楽しみだ。因みに翌日も探しに行ったが全くの空振りに終った。
チョウセンウグイス(?)は結局この日のこの時しか姿が見られず現場でじっと待っているとオオルリの雌雄が飛来した。雌の方は何故か3mの至近距離まで寄って来た。
キビタキは翌日同じ現場の少し離れた所で撮れた。オオルリやキビタキはこの様に下嘴が黒い。

ニシオジロビタキ:フォトギャラリー第380回他参照
ウグイス::フォトギャラリー第551回他参照
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:九州以北で夏鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:第554回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
キビタキ(上=雌、下=雄)
Japanese Bush Warbler
Cettia diphone
撮影日:2020年5月22日
撮影時間:11時41分20秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年5月22日
撮影時間:11時40分18秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:16.0cm
翼開長:27.0cm
分布:九州以北で夏鳥。
生息環境:平地~山地の川沿の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:第554回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
オオルリ(上=雄、下=雌)
Blue-and-white Flycatcher
Cyanoptila cyanomelana
撮影日:2020年5月21日
撮影時間:11時59分02秒
シャッタースピード:1/100秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年5月21日
撮影時間:11時57分46秒
シャッタースピード:1/60秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ウグイス科
全長:不詳
翼開長:不詳
分布:主に日本海側の島嶼部で少ない冬鳥または旅鳥。
生息環境:笹などの茂る林。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実などと思われる。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
チョウセンウグイス(?)
Manchurian Bush Warbler
Cettia diphone borealis
撮影日:2020年5月21日
撮影時間:10時23分31秒
シャッタースピード:1/40秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:2000
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年5月21日
撮影時間:10時23分30秒
シャッタースピード:1/40秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:2000
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
チョウセンウグイス オオルリ キビタキ キンイロジョウカイ
第560回 2020年6月6日