10月30日 13:42
コガラの会合線
ハシブトガラの会合線
拡大写真;
北海道バスニュースター号夜行便
長い待ち時間を耐え抜き23:45発の北海道バスニュースター号夜行便に乗車。金曜日の夜とあって窓側の席は満席に近い状態だった。座席は1席づつ独立しており各座席にはコンセントも有る。忘れずカメラと携帯のバッテリーを充電。歩数計アプリによればこの日は結局46,356歩、32.449km歩いた。明朝は札幌だ。旅の疲れも有ってかすぐに眠りに落ちた。
北海道バス待合室
4日前に降り立った北海道バスニュースター号の乗り場前にバス待合室が有った。しかしかなり寒く釧路駅の待合室の方が暖かくてテレビも有ったのでJRは利用しないがそちらで読書しながらバスを待った。
クジラの刺身
10月30日 18:41
クジラの刺身と冷酒を追加。値段は忘れた。
10月30日 18:04
ニシン定食
駅近の食堂で夕食を取った。ニシン定食800円とビール。
阿寒バス鶴居線
走った甲斐有って何とか間に合った。念の為釧路駅前へ行く事を確認して乗車。17時半頃釧路駅前に到着。バス代は730円。着いてしまえば札幌へ向かう夜行バスの発車時間まで長い待ち時間が有る。
バスの時間まではまだ余裕が有るので木道の方へ足を延ばした。ぐるっと1kmほど回ってビジターセンターの方へ戻れる筈だ。何か居ないかなときょろきょろしながら呑気に歩いているとビジターセンターが近いと思った所で工事中で通行止めになっていた。そう言えばそんな表示が所々に有ったが勘違いしていた。木道を引き返さねば戻れないと分かった時にはだいぶ時間が切迫していた。普通に歩いていたらバスに間に合わない。しかも重い荷物を背負っているし朝から歩き続けて足にはマメが出来ている。しかし痛いなどと言ってられない。夕闇が迫る木道を走ってバス停へ急いだ。息を切らせて走っているとこんなに歩いたかなと思うほど遠く感じた。
10月30日 15:46
温根内ビジターセンター
樹林でカケスの声が聞こえ声の主を探すと近い枝にミヤマカケスがじっと止まっていた。ミヤマカケスはカケスの1亜種で頭部が茶色など各亜種の中で最も特徴的な外見をしている。実は羅臼でも撮れていたが画質が悪く没にしていた。
分類:スズメ目 カラス科
全長:33.0cm
翼開長:50.0cm
分布:北海道で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の森林。
食性:木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
ミヤマカケス
Eurasian Jay (Brandt's)
Garrulus glandarius brandtii
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:15時40分12秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:15時36分42秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
10月30日 15:20
温根内ビジターセンター
再び温根内ビジターセンターにやって来た僕は敷地内で探鳥した。樹林帯や湿地に散策路が伸びている。日が西に傾き辺りはだいぶ暗くなっていたが感度を上げて探鳥した。
阿寒バス鶴居線
再び温根内ビジターセンターに戻るべく折り返しの14:52発のバスに乗車。温根内で下車してもまだ釧路駅前に戻る便が有る事を確認する。次のバスの時間は16:26発。それまでにバス停に戻ればいいからそれまで1時間以上ゆっくり探鳥出来る筈だった。
ぶたどんセット
お昼を過ぎたので幹線道路沿いの店のぶたどんセット880円で昼食。
10月30日 12:14
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
雪が積もり畑で餌となる落穂などが採れなくなるとここの広場には多数のタンチョウが飛来するだろう。その光景を想像しながら僕はタンチョウサンクチュアリを後にした。
施設内から窓の外を眺めているとシロハラゴジュウカラが飛来しシジュウカラとのツーショットが撮れた。本種2枚目はバス停の有る幹線道路へ向かう緑道で撮れたもの。ゴジュウカラはこの様に頭を下にして木の幹に止まる能力に優れていて木々の間を縦横無尽に動き回るので他の小鳥を撮る時と勝手が違う。どこかリスに似た独特の動きだ。
分類:スズメ目 ゴジュウカラ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:北海道で留鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:
第599回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
シロハラゴジュウカラ(上=手前)
Eurasian Nuthatch
Sitta europaea asiatica
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:13時17分56秒
シャッタースピード:1/1250
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:12時03分49秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
10月30日 11:54
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ(無料)は冬になればタンチョウの撮影スポットとして有名だが今はまだ周辺の畑に落穂が豊富に有りここにはタンチョウの姿は無かった。むしろここまでのバスの車窓に広がる畑にその姿が散見された。一度は断念した鶴居村にこうして降り立ちここを見学出来て良かった。
その道すがら植木に小鳥の群れを見つけた。タンチョウに続きこの日2種目のライファー、日本では北海道にしか分布しないハシブトガラだった。北海道では是非撮りたいと思っていた。僕を警戒するでもなく至近距離で撮らせてくれた。酷似するコガラとの識別点の一つは嘴の会合線でコガラよりも白っぽく目立つ(下記拡大写真参照)。
分類:スズメ目 シジュウカラ科
全長:13.0cm
翼開長:不詳
分布:北海道で留鳥。
生息環境:低地~低山の林。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実、種子など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
ハシブトガラ
Marsh Tit
Poecile palustris
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:11時46分42秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
温根内ビジターセンターの駐車場に有るバス停で待っていると鶴居村へ向かう11:10発のバスが来た。戻って来る便が有る事を確認して乗車。
鶴居村役場の前で下車しバス代は560円。折り返しのバスの時間を確認して鶴居村へ来た本来の目的地へ向かう。
阿寒バス鶴居線
10月30日 10:37
温根内ビジターセンター
やっとの事で釧路湿原の反対側に有る温根内ビジターセンターに到着した(無料)。ここまで歩いても釧路湿原のほんの一部を見たに過ぎない。ここでも探鳥したいがバスの時間を考えてまず鶴居村へ向かう事にした。
10月30日 10:30
ここまで誰とも出会わなかったがいつ終るとも知れない道を3時間半歩き続けて終点らしきカーブが見えて来る頃ようやく数人のグループと出会った。逆から散策して来た人たちだった。もうあと数分程でビジターセンターだとの事。
釧路湿原
10月30日 09:53
結局彼(彼女?)はエゾシカの群れに突き当たるまで僕の斜め前を歩いていた。
キタキツネとエゾシカ
キタキツネ
前述のキタキツネと別れて2時間近くも歩いた所でふと後ろを見ると再びその姿が有った。もしや同じやつがずっと追って来たのかと思ったが毛並を見る限りどうやら別個体の様だ。同じ様に僕の横を追い越した後シカの骨らしきものにマーキングしてずっと僕の斜め前30m程のところをエスコートする様に歩いていた。面白い動物だ。
因みに北海道ではどんなに綺麗に見えても沢水を飲んではいけない。主にキタキツネに寄生するエキノコックスに感染するリスクが高いとされるからだ。
肝心の野鳥はオオハクチョウなどが見られた(画像は割愛)。先を急ぎたいのでもうオオハクチョウは時間を掛けて撮ってられない。やや急ぎ足で歩いているとまたオオハクチョウらしき声が聞こえて来た。斜め前方に白い姿が見えたのでてっきりそうだと思って歩いていたらどうも声が違うぞと気付いた。もしやと思って望遠レンズを覗くと黒い羽が見えた。思わず「アッ!」と声を漏らす。心のどこかで狙っていたタンチョウだ!2羽見えた。ここは時間を掛けるべきところだ。リュックから三脚と長玉レンズを出しひとしきり撮影し徐々に接近してまた撮影。動画も忘れずしっかり撮った。有名な撮影地の雪原の中のタンチョウも良いが湿原の真ん中で偶然出会う感動の方が勝る。これこそ僕がここへ来た目的みたいなものだ。
分類:ツル目 ツル科
全長:145.0cm
翼開長:226.5~242.5cm
分布:主に北海道釧路湿原で越冬、道東で繁殖。
生息環境:湿原、河川、湖沼、農耕地など。
食性:種子、魚類、昆虫など。
レッドリスト:
(VU)
指定:
特別天然記念物
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
タンチョウ
Red-crowned Crane
Grus japonensis
撮影日:2020年10月30日
撮影時間:09時02分00秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:北海道
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
10月30日 08:22
エゾシカ
威風堂々とした立派な牡鹿も居た。もしこんなのに本気で掛かって来られたら勝てないだろう。しかし野生動物の基本的な行動パターンは「余計な危険を冒さない」だから皆逃げて行く。現に僕は牛丼を食べたあと弱肉強食の自然界に突然参入した中型の雑食動物だ。
10月30日 08:12
キタキツネ
もしや後ろからヒグマが付いて来てないかと時々後ろを気にしながら歩いていると気付かない内にキタキツネが追って来ていた。元々好奇心の旺盛な動物とは聞くが僕を恐れるでもなく気を許すでもなくすぐ脇を追い越して前に回り込んでこちらを見つめたあと走って葦原の中へ逃げ込んだ。無言の会話をした様な気持ちになった。
10月30日 07:55
エゾシカ
最初に現れた動物はエゾシカだった。彼らから見れば僕は見慣れない猛獣だろうから警戒の眼差しで見ている。
10月30日 07:47
釧路湿原
しばらく朝霞に煙る風景に見とれながら歩く。丈の長い葦が生い茂っているのでもし動物が隠れていても見えない。
10月30日 07:23
釧路湿原
釧路湿原の入口に着いたのは7時過ぎ。人っ子一人居ない。この終りの見えない道を半日掛けて歩く。あまりの雄大さに圧倒されてちょっと押し潰されそうな恐怖を感じる。展望台の上から眺めた釧路湿原とは違う本物の生態系の真っ只中だ。漠然とした不安を抱えながら恐る恐る自ら足を踏み入れた。
10月30日 07:18
釧路湿原
24時間営業の店で朝から牛丼で腹ごしらえした。牛丼並モーニングとサラダで640円。今日は荷物が重いので釧路湿原は片道だけ歩いてあわよくば温根内からバスで鶴居村へ行こうと考えている。つまり便数の少ないバスの時間を見て歩かねばならない。ゆっくりしたペースではまた日が暮れてしまう。今夜は釧路駅前から夜行バスで札幌へ向かうから時間に追われる一日になりそうだ。あまりのんびりしておれない。釧路市街もけっこう広いから湿原の入口までは急ごうと丼飯をかき込んで明け始めた空を見上げながら黎明の釧路市内を速足で歩き始めた。
10月30日 05:22
牛丼並モーニングとサラダ
そんな訳で翌朝まだ真っ暗なうちに早起きしてチェックアウトし重い荷物を背負って釧路湿原へ向かって歩いた。まだ市街地の筈だが幹線道路脇の柵の向こうに動物の気配を感じてふと見ると数頭のエゾシカが居た。目が光っている。
10月30日 05:03
暗闇に光るシカの目
延々歩いて釧路湿原の入口に着いた時には15時半近くになっていた。今からこの先を歩いても1時間足らずで日が暮れてしまう。歩くのは明日に予定変更して今日のところは下見として宿へ戻ろうと決めた。当初の計画では明日は鉄道とバスで釧路湿原駅から細岡展望台と鶴居村を見学する予定だったが細岡展望台は一昨日既に見ている。またフェリーが延着した時点で断念した摩周湖や多和平を見学する計画を明日へ持って来る事も考えたが、それよりもメインの目的地はやはり釧路湿原だと考えた。
宿への帰り道も釧路市街を歩いていると日が暮れて真っ暗になった。来た道と違う道を歩いているとまた道が分からなくなって来た。知らない土地で日が暮れると遠く感じるのだろうか。来た時と距離感が合わず間違って方向違いの方へ歩いているのではないかと不安になり何度か道を尋ねながら歩いた。結局この日は朝から丼物とかバランス栄養食しか食べられなかった。こんな日も有るのが旅というものだろう。明日こそは充実した一日にしたい。翌朝は早いので今夜の内に2泊分6,000円を払って寝床に就いた。
10月29日 15:22
釧路湿原の入口
10月29日 12:33
新釧路川の堤防沿い
ところが川沿いに出てみると河川敷は工事中で入れなかった。ここを上流へ向けて歩き橋を渡って管理通路の入口へ行こうと思っていたのに通せんぼされてしまった。道路へ回って上流を目指すべきか一度下流に戻って橋を渡り右岸通を行くべきか迷ってしまった。下流へ戻ればかなり遠回りになってしまうが地図を見ればこのまま道路を北上しても川からどんどん離れてしまいもっと大変な遠回りになってしまいそうだ。犬の散歩をしていた地元の人に道を尋ねると一度戻った方がいいと言う。このままでは片道も歩けない。湿原の真ん中で日が暮れたら非常に危険だ。ともかく言われた通り下流へ戻り橋を渡る事にした。後で分かった事だが上流の橋は工事中で全面通行止めだったから結果的にはやはりこちらが正解だった。ここから先上流には自動車道しか川を渡る道が無い状態だった。地元の人の話を聞いておいて良かった。ぐるっと遠回りして新釧路川右岸の河川敷を上流目指して歩く。大した野鳥は見られない。グランドゴルフ場の脇を通って道が続く。ここでも地図で見るよりずっと遠く感じた。歩きながら今日は入口までだなと思った。
釧路に戻った翌日は朝から雨で雨中強行軍する程の根性が無く宿で体を休めていた。釧路には2泊の予定だから当初からの計画ではこの日は荷物の大半を宿に置いて軽くし新釧路川右岸通の延長線上に有る釧路湿原の中央部を貫く全長約13kmの管理通路を歩いて突っ切り往復する予定だった。一般車両は通行止めだが管理している役所に事前に問い合わせたところ歩行者は自由散策で通行出来るとの事だった。天気予報では午後から晴れるとの事だったので午前中はぐうたら寝ていた。11時頃目が覚めると外は快晴だったので半日で片道だけでも歩き帰りは反対側の端に有る温根内ビジターセンターを見学しそこからバスを利用して戻ろうと思い遅まきながら釧路市街を歩いて管理通路の入口へ向った。ところが歩いていると急に空が暗くなり雨が降り出した。折り良くスーパーマーケットが有ったので軒先で雨宿りして上がるのを待った。晴れ男のつもりだったがどうも今回の旅は雨に祟られる。だいぶタイムロスしたが時間はまだ有る。再び歩き始め新釧路川の河川敷を目指した。
第602回 2020年12月1日