舳倉島にはアオジがいっぱい居て野鳥ファンたちも「なぁんだアオジか・・・」という感じでカメラを向ける人は少ない。だがここは舳倉島。よく見ると何だか変だ。亜種アオジならから体下面が黄色いはずだがこの個体にその特徴は無く、亜種アオジのその他の特徴も見られない。頭部からまで暗緑灰色である事から、かなり自信が無いもののシベリアアオジ雄と判断した。普通種だと思っても撮影してみると珍種であったりする。これが舳倉島の面白さでもあり恐さでもある。僕もこれはアオジだと思い込んでいたので残念ながら背景の良くないこの1枚しか撮影していない。それでもシャッターを切ったのはここが舳倉島なのと、今思えば何か感じるところが有ったのだろう。撮影難易度は星4個とした。
ノジコは他所なら間違いなくページのトップを飾るべき鳥だ。しかし何度も言うがここは強豪ひしめく舳倉島。自分でレイアウトしておいて言うのも変だが、去年掲載した時も3番手だった。今回は存在に気付いた人も少なかったのか撮影していたのは僕の他に女性が一人だけだった。野鳥の方は人間に注目して欲しい訳ではなく、むしろ出来れば注目しないで欲しいだろうから、これは野鳥たちには関係無い話だ。だがノジコは準絶滅危惧種だから、そういう点では注目しておかねばならないだろう。
ノゴマは繁殖期には北海道以外ではなかなか見られず、非繁殖期には藪の中を好むとされ見つけにくいが、水場に来たところを撮影出来た。喉の赤い部分の下に黒い線が入っていれば、かつては亜種オオノゴマと分類されていたらしいが、現在ではその亜種の分類は無くなっている。この個体は水溜まりの周辺をうろうろしただけだったが、この水場は小鳥たちの水飲み場であると同時に水浴びの場でもある。鳥たちは汚れや寄生虫から羽毛を守る為に好んで水浴びや砂浴びをする。余談だがだいぶ以前、川で水浴びをするカラスを見た事が有るが、「カラスの行水」と例えられるほど短い時間ではなく、かなりの長時間だった。
サンコウチョウも明るい所にはなかなか出て来ないが、この時は廃校のグラウンドに居た。この時季で羽が短いという事は雌だろうと判断した。この焦点距離にはキツい距離だったため画像を大きく引き伸ばしており、補正でカバーしきれない収差が出てしまった。

類似種の識別:アオジ(雄)とシベリアアオジ(雄)アオジとノジコ参照
アオジ:フォトギャラリー第16回参照
分類:スズメ目 カササギヒタキ科
全長:雄45.0cm 雌18.0cm
翼開長:28.0cm
分布:本州以南で夏鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:昆虫。
フォトギャラリー:第65回参照
撮影難易度  :★★★★☆
Japanese Paradise Flycatcher
Terpsiphone atrocaudata
サンコウチョウ
撮影日:2014年5月6日
撮影時間:14時07分22秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:200
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:16.0cm
翼開長:23.0cm
分布:北海道で夏鳥、本州以南で旅鳥。
生息環境:平地~山地の草原、林など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度  :★★★☆☆
ノゴマ(雄)
Siberian Rubythroat
Luscinia calliope
撮影日:2014年5月6日
撮影時間:12時16分24秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F8
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
Yellow Bunting
Emberiza sulphurata
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:14.0cm
翼開長:20.5cm
分布:中部以北で局地的に夏鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
レッドリスト
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第113回参照
撮影難易度  :★★★★☆
撮影日:2014年5月6日
撮影時間:12時03分08秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F8
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
ノジコ(雄)
Black-faced Bunting
Enberiza spodocephala spodocephala
撮影日:2014年5月4日
撮影時間:12時26分10秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:不詳
翼開長:不詳
分布:主に日本海側、九州以西で少ない旅鳥。
生息環境:平地~山地の林、農地など。
食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度  :★★★★☆
シベリアアオジ(雄)
第141回 2014年6月11日
シベリアアオジ ノジコ ノゴマ サンコウチョウ