余録;キバタン
冠羽を逆立てながらこの世のものとは思えない奇声を発していた。日本には分布しないオウムの仲間で明らかに籠抜け。苦笑いしながら撮影した。飼育下では70年も生きる長寿だとか。籠の中の鳥は安全で喰うに困らず長生き出来て幸せそうに見られがちだが僕から見れば終身刑と同じであり、人も鳥も狭い所に閉じ込められて生かされるより野外で自由に生きる方が幸せなんだと思う(だからと言って飼い鳥を放鳥してもいいと言う訳ではないから念の為)。
野鳥に正月とかは関係無いから新春だからと言って珍鳥が飛んで来てくれる訳ではない。自然界はこちらが期待している様には応じてくれない(当たり前だけど)。現実の世界での野鳥の存在確率からすれば今回のメンバーは妥当なところだ。
マヒワの雄は綺麗な黄色だが雌タイプも地味ながら味わいの有る色合いだ(フォトギャラリー第106回参照)。この時は雌雄数羽がカラスザンショウの周辺に群れていて雄も一緒に撮れたが酷く枝被りだった。いい所に止まるのを待っている内に何かに驚いて弾ける様に飛び去ってしまった。
地味な羽色が多い冬鳥の中にミヤマホオジロ雄が居てくれると黄色が鮮烈に映えて見え僕の目を楽しませてくれる。小群が地上で餌をついばんでいる所をよく目にする。写真は年を越してしまい去年12月のものだがこの個体はアオジ雌タイプと一緒に居た。混群と言うより何故か2羽のペアだった。
木々が枯れる頃に見るのでジョウビタキは僕にとっては昆虫食のイメージが強いが、この時はアカメガシワの実を食べている様に見えた。この木は去年秋にキビタキ、オオルリや俗に言うヒタキ3兄弟(サメビタキ、コサメビタキ、エゾビタキ)などが集っていた木で、寄ってたかってガツガツ食われた割にはしぶとく食べ残しが有り冬鳥の貴重な食料になっている。
キビタキ、オオルリ:フォトギャラリー第206回他参照
サメビタキ、コサメビタキ、エゾビタキ:フォトギャラリー第205回他参照
初歩のバードウォッチング:食性参照
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:住宅地、農耕地、林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:
第208回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ジョウビタキ(雌)
Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
撮影日:2015年12月16日
撮影時間:14時02分10秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:16.0cm
翼開長:21.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息地:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。
フォトギャラリー:
第211回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ミヤマホオジロ(雄)
Yellow-throated Bunting
Emberiza elegans
撮影日:2015年12月16日
撮影時間:13時54分08秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 アトリ科
全長:12.0cm
翼開長:21.0cm
分布:全国で冬鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の草原、林など。
食性:種子など。
フォトギャラリー:
第106回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
マヒワ(雌タイプ)
Eurasian Siskin
Carduelis spinus
撮影日:2016年1月6日
撮影時間:10時05分00秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.7
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:640
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
マヒワ ミヤマホオジロ ジョウビタキ キバタン
第213回 2016年1月10日