アトリは1月に河川敷で撮影した。日常生活に追われて今頃になっての公開となってしまった。カラフルなものが多いアトリ科の代表にしては地味な色合いだが、さほど警戒心が強くないせいか、むしろ前々回のベニマシコより見つけやすい印象だ。割とじっとしていてくれる事が多い。地味とは言っても人間の目にそう見えるだけで、紫外線も見える鳥類には派手に目立つ色に見えている可能性が有る。雌雄同色の種でも紫外線の反射率の違いによって互いに見分けていると思われる。して見ると我々野鳥ファンが野鳥に警戒されない様に、警戒色とされる赤などを避けて目立たない服装をしているつもりでも、彼らの目には派手に見えている可能性が有る。
イカルは内陸の公園で、足元の土手に居たところを撮影した。イカルも地味な印象の鳥だが光線の加減によってはこの様に次列風切の基部、大雨覆羽に紺色の光沢が有る。野鳥ファン目線で言えば、公園の鳥のいいところは前々回の山の鳥とは対照的に、比較的人間に慣れていて警戒心が薄く至近距離でも逃げない傾向が有る事だが、個体によっては警戒心が強くて人が通るたびに逃げてしまう事も有るから、不特定多数の人が出入りする公園での撮影も良し悪しだ。イカルはアトリ科最大だが、押し並べて小鳥は動きが激しく被写体としては小さくて撮影はけっこう難しいので、この様に逃げない個体は有り難い。
マヒワは2年前、大阪南港野鳥園で撮った在庫写真で、単独でフォトギャラリーに掲載するほどのコラムが浮かばず見送っていたものだが、今回アトリ科繋がりで日の目を見る事になった。そう言えば前回登場した時もアトリ科繋がりだった。マヒワはアトリ科最小種だ。この時はカワラヒワと混群になっていたが、見るからにカワラヒワより小さくて黄色い印象が強い。

カワラヒワ:フォトギャラリー第14回参照
類似種の識別:イカルとコイカル参照
分類:スズメ目 アトリ科
全長:12.0cm
翼開長:21.0cm
分布:全国で冬鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の草原、林など。
食性:種子など。
フォトギャラリー:第41回参照
撮影難易度:★★★☆☆
マヒワ(雄)
Eurasian Siskin
Carduelis spinus
撮影日:2011年3月30日
撮影時間:13時02分32秒
シャッタースピード:1/100秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:200
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:スズメ目 アトリ科
全長:23.0cm
翼開長:33.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:草木の種子など。
フォトギャラリー:第25回参照
撮影難易度:★★★☆☆
イカル
Japanese Grosbeak
Eophona personata
撮影日:2013年2月6日
撮影時間:12時24分26秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:640
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 アトリ科
全長:16.0cm
翼開長:25.5cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:平地~山地の草原、林など。
食性:木の実、種子など。
フォトギャラリー:第41回参照
撮影難易度:★★★☆☆
アトリ(雄)
Brambling
Fringilla montifringilla
撮影日:2013年1月4日
撮影時間:12時27分54秒
シャッタースピード:1/100秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
アトリ イカル マヒワ
第106回 2013年4月3日