今回は舳倉島の野鳥たちのつづきで、ツグミ科の仲間たち。
島の中央付近に水場と観察舎が造られており、野鳥たちの撮影ポイントになっている。今回はこの付近でカラアカハラが雌雄とも撮影出来た。稀に大阪などにも飛来している様だが、これまで出会うチャンスは無かった。雌はクロツグミと極似しているが、レンジャーに同定してもらったので間違いない。クロツグミ雌は本種より体上面が暗褐色で脇の橙色部が小さく、体下面の黒斑がもっと明瞭だ。雄はアカハラと似ているが、日本のツグミ科の中で唯一体上面が青味を帯びた灰色だ。
ハチジョウツグミはツグミの亜種で、プロフィールはツグミの内容を載せた。分布はもちろん亜種ツグミより稀だ。廃校の校庭で人を恐れず採餌していた。非常に印象的な赤褐色だ。ものの本によれば亜種ツグミとの「交雑個体」も多いとされるが、ハチジョウツグミは個体変異が多いとされ、この個体が「交雑個体」なのか純血なのかは不明だ。とは言うものの、別種ではなく亜種同士なので「交雑」という表現には疑問を感じる。以前にも述べた事が有る通り「亜種」には明確な定義が無く、分類上はどちらも同じ種という事になるからだ。(フォトギャラリー第88回参照)
マミチャジナイはさほど珍鳥ではない筈だが、初めて出会った。海岸の岩礁と砂浜の間付近だった。大雨覆の羽先が白いので若鳥と思われる。舳倉島と言えど珍鳥ばかりではない。亜種ツグミを始め、アトリやカワラヒワなど拍子抜けする様な普通種もたくさん居た。そんな中に他所では滅多に会えない珍鳥たちが当たり前の様に居た。そして珍鳥と普通種の間には何の分け隔ても無かった。珍鳥とされる鳥たちも、ここでは何ら違和感の無い「普通種」だった。
ツグミ:フォトギャラリー第42回参照
類似種の識別:アカハラ(雄)とカラアカハラ(雄)・ツグミとハチジョウツグミ参照
分類:スズメ目 ツグミ科
全長:22.0cm
翼開長:37.0cm
分布:全国で旅鳥。
生息環境:平地~山地の林。
食性:ミミズ、幼虫、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★☆☆
マミチャジナイ
Eyebrowed Thrush
Turdus obscurus
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:11時30分16秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ツグミ科
全長:24.0cm
翼開長:39.0cm
分布:全国で冬鳥または旅鳥。
生息環境:平地~山地の林、農地など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
ハチジョウツグミ
Naumann’s Thrush
Turdus naumanni naumanni
撮影日:2013年5月4日
撮影時間:13時42分52秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:スズメ目 ツグミ科
全長:23.0cm
翼開長:37.0cm
分布:主に日本海側の島嶼部で稀な旅鳥。
生息環境:平地の林、草原など。
食性:ミミズなど。
フォトギャラリー:初登場
撮影難易度:★★★★☆
カラアカハラ(上=雌、下=雄)
Grey-backed Thrush
Turdus hortulorum
撮影日:2013年5月2日
撮影時間:12時48分18秒
シャッタースピード:1/50秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離: 1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
撮影日:2013年5月5日
撮影時間:10時42分58秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
カラアカハラ ハチジョウツグミ マミチャジナイ
第111回 2013年5月27日