クロジの地鳴きはホオジロなどのそれより明らかに大きくはっきりとしている。普段は地鳴きなど聞き流してしまいがちだが、この時は山道を歩いていて聞き慣れないその地鳴きが気になって立ち止まり見上げると枝にその声の主が止まっていた。最初見つけた時は灰色味が感じられなくてクロジとはピンと来ず「何かな?」と考え込んでしまった。見慣れた野鳥の記憶の引出しをさぐってみたが出て来ない。あれこれと考えながら先へ歩いたものの一旦思い出すのを諦め後の楽しみにしていたが復路同じ場所に差し掛かった所で再び姿を見つけてようやくクロジだと思い当たった。幸い警戒心の弱い大胆な個体が他の仲間が逃げても僕の頭上の枝に止まったり一度逃げても戻って来たりサービスしてくれた。こういうチャンスに恵まれないとなかなか撮れないのがクロジだ。しかも暗い所に居る黒っぽい鳥だから現像してもどこが正しい明るさなのかつかみにくい。こうして見るとクロジとは言え下腹は白い。間近で見た瞬間の印象は明らかにスズメより大きかった(実際全長は3cmほど大きい)。キャプションでは雄と雌タイプとしたが恐らくどちらも雄の若鳥と思われる。
エゾビタキとジョウビタキは同じポイントでの撮影だ。ジョウビタキが既に縄張りを張ったらしく、自分の縄張りを侵したエゾビタキを追い出そうとしていた。相手は旅鳥なんだから無理に追い出さなくてもじきに居なくなるはずなんだけどジョウビタキの知った事ではないだろう。ほんの数十メートル離れた所にあるアカメガシワの実は既に食べ尽くされているのにここのカラスザンショウの実がなかなか減らないので不思議に思っていたが、このジョウビタキが独り占めにしようとしているからだろうか?あるいはカラスザンショウは実が熟すのが遅いのだろうか?

初歩のバードウォッチング:大きさの指標となる野鳥参照
初歩のバードウォッチング:食性参照
野鳥簡易識別表:近畿秋ほか参照
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:住宅地、農耕地、林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:第213回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ジョウビタキ(雌)
Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
撮影日:2016年11月2日
撮影時間:08時46分48秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:15.0cm
翼開長:26.0cm
分布:全国で旅鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:第253回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
エゾビタキ
Grey-Streaked Flycatcher
Muscicapa griseisticta
撮影日:2016年11月2日
撮影時間:08時48分09秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:兵庫県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:17.0cm
翼開長:25.5cm
分布:留鳥または漂鳥。
生息環境:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:第223回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
クロジ(上=雄、下=雌タイプ)
Grey Bunting
Emberiza variabilis
撮影日:2016年11月2日
撮影時間:12時46分55秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2016年11月2日
撮影時間:12時09分53秒
シャッタースピード:1/500秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
クロジ エゾビタキ ジョウビタキ
第259回 2016年11月18日