サンプル画像;グレースケール
比較するとカラー画像のクロジが完全な灰黒色ではない事が分かる。
この日は56,633歩、39,643m歩いて、また個人記録を更新した。早朝から夕方まで山越え谷越えほぼ終日自然歩道を歩きっぱなしだった。人間は歩くのが得意な動物で一歩はわずか70cmそこそこだが一歩一歩交互に足を前に出して歩き続ければけっこう遠くまで行ける。長距離を歩けば野鳥に会うチャンスが多そうに思うが余りに距離が長くなり過ぎると歩く事に懸命になってしまい却って野鳥を見落としている様な気もする。だが今回は普段なら見落としていた様な野鳥を見逃さなかった。
林道脇の低木の陰で黒っぽい小鳥がうごめくのが見えた。暗い林の中の更に暗い低木の陰だから真っ暗で垣間見えたその被写体は真っ黒だったが何故か肉眼でもクロジだと分かった。急にカメラを構えて脅かしてしまわない様に、はやる気持ちを抑えつつゆっくりとした動作で構える。ピントが来た瞬間に被写体に逃げられる事もしばしばなので合焦するまでの時間がとても長く感じられた。だが幸いこのクロジは枝被りながらゆっくりポーズをとってくれた。写真になってみると明るく見えるがF値5.6ながらISO感度800に1/20秒のスローシャッターでようやく適正露出だからいかに暗かったかが分かる。暗い所が好きな黒っぽい野鳥だから肉眼ではもう真っ黒で、目立たない鳥の代表みたいな野鳥だ。図鑑にも灰黒色などと書かれていて地味なイメージを持たれているが雄成鳥は光線状態によっては微妙に青紫がかっている様に見え、けっこう渋い美しさを放つ。クロジという名前から固定観念で黒いと思い込んでいるだけで本当は美しい野鳥なのだ。今回は光線状態が悪かったのにその深い色合いが再現出来ていてカメラの性能に感謝だ。なお、手持ち撮影だったにも関わらずこのスローシャッターで手ブレがほとんど見られないのはVR(手ブレ補正)機能に加えてカメラとレンズが軽いお陰だと思う。重い機材では多少シャッタースピードが稼げたとしても構えるだけで手が震えるから三脚が必須になるし、そんな荷物を背負ってこの距離を歩く自信は無い。
なお今回のクロジは3月22日の撮影だが去年の春には一日違いの3月23日に撮影している(フォトギャラリー第223回参照)。
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:17.0cm
翼開長:25.5cm
分布:留鳥または漂鳥。
生息環境:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:第259回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
クロジ(雄)
Grey Bunting
Emberiza variabilis
撮影日:2017年3月22日
撮影時間:08時24分28秒
シャッタースピード:1/20秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
クロジ
第284回 2017年4月3日