今月上旬頃から秋のタカの渡りが本格的に始まった様だ。この前日別のポイントでタカの渡りを観察しているグループと遭遇したので質問してみたら、その時点で半日の間に6羽のタカが飛んだという話を聞いた。僕は空振りだったが一気にモチベーションが高まり翌日僕なりのポイントへ出掛けた。最初に見えたのが2枚目のサシバでかなり遠方の高い所をソアリング(旋回帆翔)を繰り返しながら西へ向かっていたから渡りと思われる。次に飛んだのが1枚目のサシバで低い高度を羽ばたきとグライディング(滑翔)を繰り返しながら直線飛行したからこちらは渡りではないと思われる。なぜならタカは渡りの時は体力の消耗を抑える為にほとんど羽ばたかず上昇気流に乗ってソアリングで高度を上げてから滑翔で移動しまた上昇気流を見つけてはソアリングで上昇というパターンを繰り返しながらゆったりと移動して行くイメージだからだ。しかもここは谷津田(※)だからたまたまここに定着していたものと思われる。この日は曇り空で背景が明るく光が負けて色収差が出るほどだったから引き伸ばして見ても細部のディテールがよく見えないが翼先分離羽(翼指)が5枚なのでサシバと判る。1枚目の個体はP8(先端から3枚目の初列風切)が換羽中の為(?)翼先分離羽が4枚に見える。の横斑が潰れている様に見えるので雄と思われる(雌なら胸の横斑がはっきりしている)。2枚目の個体は逆光にしても黒っぽく見えるので暗色型の可能性も有る。ちなみに翼先分離羽が5枚のタカは他にノスリ、ケアシノスリ、ツミ、チュウヒ、ハイイロチュウヒなど。

(※)谷津田(やつだ):山に囲まれた狭隘な水田地帯。サシバが好む環境と言われる。

ノスリ:フォトギャラリー第279回他参照
ツミ:フォトギャラリー第313回参照
チュウヒ:フォトギャラリー第256回他参照
ハイイロチュウヒ:フォトギャラリー第260回他参照
初歩のバードウォッチング:色彩・斑紋飛び方参照
分類:タカ目 タカ科
全長:雄47.0cm 雌51.0cm
翼開長:105.0~115.0cm
分布:青森~九州で夏鳥。
生息環境:森林、農耕地。
食性:爬虫類、両生類、鳥類、昆虫など。
レッドリスト:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
フォトギャラリー:第254回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
サシバ
Grey-faced Buzzard
Butastur indicus
撮影日:2017年9月6日
撮影時間:09時17分32秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2017年9月6日
撮影時間:10時23分00秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
サシバ
第317回 2017年9月20日