オオワシもカモも、もうとっくに北帰してしまったから今回は冬の思い出写真集になってしまった。
いつもの琵琶湖畔の山本山へオオワシを撮りに行ったのは、まだ寒い2月の事だった。あいにくこの日は小雨がぱらつく天気だったが、その為に却ってカメラマンの姿が少なく、オオワシも警戒心を解いたのか、いつもより麓に近い木に止まっていた。この頃はまだ残雪の残る時季でオオワシを引き立てる背景となった。この日は風も強く、オオワシにとっては飛翔日和だったらしく、何度も餌場へ飛んで行っては山本山に戻る行動を繰り返していたから、このシャッターチャンスも僅かな時間しか無かった。今まさに餌場の方向を見つめている瞬間の写真だ。
ところでこの撮影地で毎年気になる事が有る。それは野鳥ファンのマナーの悪さだ。地元の人が厚意で例年臨時駐車場を無料提供してくれているにも関わらず路上駐車する人が多い。畦道に入り込んで撮影する人も居る。世間から「野鳥ファンはマナーが悪い」とのレッテルを貼られたくないので、敢えて苦言を呈しておきたい。地元の人に迷惑を掛けて、どんなに凄い写真を撮っても何の自慢にもならない。僕はいつも「湖北野鳥センター」に駐車して歩くが、大した距離ではないし、道すがらチョウゲンボウに出会ったりするチャンスも有る。オオワシに見降ろされて恥ずかしくない様に、モラルを守って気持ち良く撮影したいものだ。
ホオジロガモの雄は名前の通り(眼先寄り)が白い。山本山近くの漁港の一隅から撮影した。次のミコアイサの白黒を反転させた様な顔だ。遠くに居ても目立つので、すぐにそれと分かった。2年前の冬には同じ場所で雌も撮影している。
ミコアイサは毎冬ここの漁港に入っている様だ。前回撮影した2年前の時季はまだ換羽途中だったが、今回は換羽を終えた完全体のパンダガモだ。この様に美しいパンダの期間はそう長くなく、この僅かな時季にしか見られない。
ハジロカイツブリは琵琶湖では珍しくない。同じく漁港から至近距離で撮ったものだ。
ところで冬鳥は寒さに耐えながらの撮影になる事が多いが、シャッターチャンスが訪れると、その瞬間に寒さを忘れるから不思議だ。
季節は巡って今や旅鳥のシーズンだから、これらの冬鳥たちは暫くお預けだ。また来シーズン元気な姿を見せてくれる事だろう。

類似種の識別:ハジロカイツブリ(冬羽)とミミカイツブリ(冬羽)参照
分類:カイツブリ目 カイツブリ科
全長:30.0cm
翼開長:56.0cm~60.0cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:海岸、湖沼、河川など。
食性:魚類など。
フォトギャラリー:第58回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ハジロカイツブリ
Black-necked Grebe
Podiceps nigricollis
撮影日:2013年2月14日
撮影時間:09時28分56秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:カモ目 カモ科
全長:42.0cm
翼開長:61.0~70.0cm
分布:九州以北で冬鳥。北海道北部で夏鳥。
生息環境:湖沼、河川、港など。
食性:魚類、貝類、甲殻類など。
フォトギャラリー:第72回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ミコアイサ(雄)
Smew
Mergellus albellus
撮影日:2013年2月14日
撮影時間:08時44分42秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:カモ目 カモ科
全長:45.0cm
翼開長:65.0~85.0cm
分布:東北以北で冬鳥。
生息環境:湖沼、河川、港など。
食性:貝類、甲殻類、魚類、海草など。
フォトギャラリー:第72回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ホオジロガモ(雄)
Common Goldeneye
Bucephala clangula
撮影日:2013年2月14日
撮影時間:09時17分32秒
シャッタースピード:1/160秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:タカ目 タカ科
全長:雄88.0cm 雌102.0cm
翼開長:220.0~245.0cm
分布:北海道、東北、日本海側などで冬鳥。
生息環境:海岸、湖沼、河川など。
食性:魚類、鳥類、両生類、哺乳類など。
レッドリスト:
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
指定:
天然記念物
フォトギャラリー:第73回第74回第94回参照
撮影難易度:★★★★☆
オオワシ
Steller’s Sea Eagle
Haliaeetus pelagicus
撮影日:2013年2月13日
撮影時間:12時16分12秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:640
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
オオワシ ホオジロガモ ミコアイサ ハジロカイツブリ
第107回 2013年4月11日