時代が下り明るいレンズが競って開発される様になるとガウス型はライツ社が採用しツァイス社は1934年トリプレットの発展形であるゾナーを発売した。50mmF1.5という当時としては大口径の明るい標準レンズだった。コーティングが実用化されていなかった当時は屈折面が空気と接する面を極力少なくしなければならなかったので屈折率に差の有る単レンズを3枚張り合わせ球面収差とコマ収差を補正し空気と接する面を6面に抑えゴーストやフレアを最小限に抑えた。
参考文献:小倉敏布「写真レンズの基礎と発展」朝日ソノラマ社1998年
連載企画;ゾナー
コガラは次列風切外縁の白色部が目立つがハシブトガラは目立たない。
ハシブトガラ
コガラ
拡大写真;コガラの次列風切外縁 ハシブトガラの次列風切外縁
前日不完全燃焼に終ったコガラの撮り直しを狙っていつもの様に歩いてポイントに向かった。掲載順は2番目だが薄っすら雪の積もった現場に到着するなりルリビタキがお出迎え。初列風切までこんなに青い雄は見た事が無い。個体差は有るがここまで青くなるには少なくとも2年半以上(第3回冬羽以降)は掛かるはずだ。つまり最後に青くなるのが初列風切の外弁だ。印象としては恐らく3年か4年以上生きている個体だ。しかも割と愛想が良くゆっくり余裕を持って撮影する事が出来た。
しかしこの日の狙いはコガラ。早々に切り上げてポイントへ向かった。コガラは越冬中には縄張りを持たないのでピンポイントで狙っても難しい事は認識していたが気持ち的にはどうしても前日見つけたポイントにこだわってしまう。まさかとは思ったがいざポイントに着いてみたらいきなり登場!2年前に見つけた時も1週間後に行ってみたら同じ所でグッドタイミングで見られた(フォトギャラリー第434回参照)。コガラとは相性がいいのかも知れない。欲を言えば今回は空抜けだが満足出来ないまでもまずリベンジは出来たかなと思っているとだんだん下に降りて来てあと少しでかなり条件の良いポジションまで寄って来てくれそうだったが折り悪く軽トラックが通りかかって逃げてしまいそれっきりになってしまった。以前コガラとハシブトガラの識別点について触れた事が有ったがそのとき端折った所について改めて注目してみたい(フォトギャラリー第602回参照)。図鑑によればコガラは次列風切外縁の白色部が目立つがハシブトガラは目立たないとされる(僕にはよく判らない)。ハシブトガラは北海道にしか分布しないので大阪で識別に迷う事は無いが北海道には両種が分布するから覚えておいて損は無い。
気を取り直して現場にたたずんでいるとヤマガラが何かをくわえて近くに止まった。コガラと混群になっていたやつかも知れない。
コガラはロストしたがまぁ後でまた来れば良いとしばらく現場内を歩いているとまた愛想の良いルリビタキが現れた。さっきとはだいぶ離れた場所で別個体だ。愛想が良いのでD5100で動画を撮ったが長く撮り過ぎたのか撮影中にバッテリーが切れて静止画も撮れなくなってしまった。ムービーカメラではないので動画を撮るとバッテリーの減りが早いのは分かっていたがそれにしてもいきなりだった。一旦電源を切って入れ直してみたが効果無し。予備のバッテリーを持ってないので探鳥を突然強制終了させられてしまった。サブカメラも家に置いて来ていたのでコガラの撮り直しも諦めて帰路についた。帰り道の途中の農耕地も探鳥地だがもう撮影は出来ない。そういう時に限ってまた愛想の良いルリビタキが現れたが空しくスルーしなければならなかった。人間の心理というのはおかしなものでこうなると「変に珍鳥とか出て来ないでくれ」といつもとは逆の事を祈りながら歩いた。
帰宅後試しにバッテリーを一旦抜いてまた入れて電源を入れてみたら満タンに戻った。何だまだ有るじゃないかと気付いたが後の祭り。現場で試してみなかった自分が悪い。いずれにせよ予備バッテリーの必要性を痛感した。後日買いに走ったのは言うまでも無い。
ハシブトガラ:フォトギャラリー第603回他参照
類似種の識別:コガラとハシブトガラ参照
YouTube動画:ルリビタキ参照
分類:スズメ目 シジュウカラ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で留鳥または漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、種子など。
フォトギャラリー:
第522回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ヤマガラ
Varied Tit
Poecile varius
撮影日:2021年2月19日
撮影時間:09時54分12秒
シャッタースピード:1/320秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:14.0cm
翼開長:22.0cm
分布:全国で漂鳥。
生息環境:平地~山地の林など。
食性:昆虫、木の実など。
フォトギャラリー:
第623回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ルリビタキ(雄)
Red-flanked Bluetail
Tarsiger cyanurus
撮影日:2021年2月19日
撮影時間:09時33分32秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2021年2月19日
撮影時間:09時33分20秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 シジュウカラ科
全長:13.0cm
翼開長:20.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥。
生息環境:山地の林など。
食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。
フォトギャラリー:
第625回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
コガラ
Willow Tit
Poecile montanus
撮影日:2021年2月19日
撮影時間:09時41分49秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
コガラ ルリビタキ ヤマガラ コガラの次列風切外縁 ハシブトガラの次列風切外縁 ゾナー
第626回 2021年3月6日