ミヤコショウビン、カンムリツクシガモに続き、ファン待望の(?)絶滅種イラストシリーズ第3弾!今回は小笠原諸島の恐らく父島に生息したとされているオガサワラマシコの登場だ。無人島だったせいか人間を警戒せず、1828年に採集されたのを最後に地上から姿を消してしまった。日本の野鳥の中では絶滅年がオガサワラガビチョウと並びカンムリツクシガモに次いで古い時代まで溯る。僅か23k㎡余りの小さな島で200年近く発見されていないのだから残念ながら生存の可能性は無いだろう。世界的に見ても亜種は無く小笠原特産だった。当初は別の背景で描いたが主に木立の中の地上で生活していたらしいという習性をイメージして最終的に林縁部の岩の上に出て来てもらった。大きな嘴が特徴だ。人間を警戒しなかったとは言え小笠原にも天敵は居た筈だから敏捷さは備えていただろう。もちろん本物の生きた姿は見られないので同じ様に大きな嘴に特徴の有るイカルをベースにしてみた。これがどれほど正しい姿なのか残念ながら確かめようが無いが、もし本物が姿を現したら恐らく当たらずとも遠からず、結構いい線を突いてると思う。なお英名のBonin Islands Grosbeakは小笠原群島が無人島だったころ「無人島(ブニンジマ)」と呼ばれていた事に由来するらしい。

ミヤコショウビン:イラストギャラリー第3号参照
カンムリツクシガモ:イラストギャラリー第4号参照
イカル:フォトギャラリー第106回他参照
分類:スズメ目 アトリ科
全長:20.0cm
翼開長:不詳。
分布:1828年、小笠原諸島で留鳥(父島と推測される)。日本固有種。
生息環境:海岸に近い平地の木立。
食性:木の実、芽。
レッドリスト絶滅(EX)
オガサワラマシコ(雄・想像図)
Bonin Islands Grosbeak
Chaunoproctus ferreorostris
オガサワラマシコ
第5号 2016年1月1日