久しぶりにカワガラスの渓流に行ってみたらカワガラスはキセキレイに追われる様に縄張りを変えていて主役がミソサザイに入れ替わっていた。300ミリレンズでは遠すぎる距離だったので画像を大きく引き伸ばしており画質が良くないが、画像処理で何とか補正した。
ミソサザイは日本ではキクイタダキに次ぐ小さな鳥の一つで、カワガラスを小さくした様な姿をしている。羽をピンと立てている仕草が愛らしい。カワガラスに近いところに分類されているが科としては独立している。カワガラス科がカワガラスのみなのに対し、ミソサザイ科も本種のみだが4亜種に分類される。ここまで姿が似ているなら同じ科に分類しても良さそうなものだが、習性が異なるからだろうか、それぞれが1科1種に分類されている。ミソサザイはカワガラスの様に水中に潜ってまでして採餌する事はないし、カワガラスが岩の上に止まる事が多いのに対し、ミソサザイは梢や枝にも止まる。
カワガラスの習性は他に例を見ない。地味な色の鳥だが僕を惹きつけて止まない不思議な魅力の持ち主だ。繁殖時期が早く2月頃から始まるから、幼鳥といっても3月のこの時点で既にここまで成長している。まだ親鳥から給餌を受けていたが大きさは親鳥と変わらない。こちらも300ミリレンズには距離が遠く今ひとつの画質になってしまった。レンズを交換して撮影を続行する事も出来たが、渓流沿いを歩いている内に気付かず彼らの心理的テリトリーに入り込んでしまっていたらしく、あまり長居をして子育ての邪魔をしてはいけないと思い早々に退散したから、今回はこの写真で我慢だ。実は新しい縄張りを探して歩いていて、全く気配が無いので諦めて引き返そうかと思ったものの、もう少し歩いてみようと思ったその矢先に姿を発見した。僕は割とじっと1ヶ所に留まって待ち構える撮影スタイルだが、今回は動き回ってみたのが幸いした。

キクイタダキ:フォトギャラリー第95回第102回参照
分類:スズメ目 カワガラス科
全長:22.0cm
翼開長:31.0cm
分布:九州以北で留鳥。
生息環境:平地~山地の渓流、河川など。
食性:水生昆虫、魚類、甲殻類など。
フォトギャラリー:第67回第97回参照
撮影難易度:★★★☆☆
カワガラス(幼鳥)
Brown Dipper
Cinclus pallasii
撮影日:2013年3月27日
撮影時間:11時00分24秒
シャッタースピード:1/125秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:640
撮影地:京都府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ミソサザイ科
全長:10.5cm
翼開長:15.5cm
分布:沖縄を除く全国で留鳥。
生息環境:平地~山地の河川、渓流、沢など。
食性:昆虫、蜘蛛など。
フォトギャラリー:初登場(携帯電話待受画面サイズを除く)
撮影難易度:★★★☆☆
ミソサザイ
Winter Wren
Troglodytes troglodytes
撮影日:2013年3月27日
撮影時間:11時40分39秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:640
撮影地:京都府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
ミソサザイ カワガラス
第108回 2013年4月16日