山間部の撮影地ではサギ科が婚姻色に変わりつつある。チュウサギの婚姻色は背面とに飾り羽が伸び虹彩が赤橙色、眼先に緑色味が有り足に赤味が出るとされるが、この個体は飾り羽が伸びているだけだから完全体ではない。チュウサギの婚姻色の期間は短いとされる。婚姻色に変わりつつあるのではなくもう終りなのかも知れない。2羽が一緒に居たが番いかどうかは不明。
チュウダイサギの婚姻色は嘴が黒、虹彩は赤橙色、眼先は青、剄節が赤く跗蹠にも赤味が出るが個体変異が多いとされる。この個体は完全な婚姻色ではなく、それどころか亜種ダイサギの可能性も捨てきれない。
アオサギの婚姻色は嘴と眼先、足が赤色とされるから、この個体は完全な婚姻色に近いと思われる。2羽が水田に居たが番いかどうかは不明。いつも魚やカエルを食べているイメージだが驚いたことにこの個体がくわえている獲物は絶体絶命のノネズミだ(と思われる)。もう1羽が迫って来たが一瞬早く丸飲みにしてしまった。
アオサギの祖先が始祖鳥や恐竜だった時代には我々人間の祖先はノネズミみたいなものだったと考えられているし更に時代を遡れば脊椎動物の祖先はピカイアというナメクジウオみたいな生物だった。その我々の家系図の中でいずれか一人(一匹)でも子孫を残す前に捕食されていたらそこで家系図が断絶し我々はここに存在しなかった筈だ。宝くじの1等など比較にならない様な天文学的な分数式の可能性で我々はこの世に存在する。そう考えれば我々は既に宝くじに当選している様なものだと言えなくもない。
またこのノネズミはこの時捕食されずに済んでいたらもしかしたらその子孫が何億年後かに驚くべき進化を遂げ人間が絶滅した後の時代を支配していたはずだったかも知れず、この日はその僅かな可能性が断たれた日だったのかも知れない。

ダイサギ:フォトギャラリー第23回参照
初歩のバードウォッチング:色彩・斑紋参照
類似種の識別:ダイサギとチュウサギ参照
分類:ペリカン目 サギ科
全長:93.0cm
翼開長:175.0cm
分布:全国で留鳥または漂鳥。
生息環境:海岸、湖沼、河川、水田など。
食性:魚類、両生類、爬虫類など。
フォトギャラリー:第179回他参照
撮影難易度:★☆☆☆☆
アオサギ(婚姻色)
Grey Heron
Ardea cinerea
撮影日:2016年4月20日
撮影時間:11時32分20秒
シャッタースピード:1/3200秒
絞り値:F7.1
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:ペリカン目 サギ科
全長:90.0cm
翼開長:170.0cm
分布:本州以南で夏鳥。
生息環境:湖沼、河川、水田など。
食性:魚類、両生類など。
フォトギャラリー:第153回参照
撮影難易度:★☆☆☆☆
チュウダイサギ
Eastern Great Egret
Ardea alba modesta
撮影日:2016年4月20日
撮影時間:08時22分34秒
シャッタースピード:1/2000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:ペリカン目 サギ科
全長:68.0cm
翼開長:105.0~115.0cm
分布:河川、水田、干潟など。
生息環境:本州以南で夏鳥。
食性:魚類、両生類、爬虫類、昆虫など。
レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第55回参照
撮影難易度:★★★☆☆
チュウサギ
Intermediate Egret
Egretta intermedia
撮影日:2016年4月20日
撮影時間:07時58分05秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
チュウサギ チュウダイサギ アオサギ
第229回 2016年5月5日