拡大写真;小翼羽
プチ遠征先で夏羽のチュウサギを見つけた。嘴が黒く飾り羽は伸びているが眼先が黄緑色ではなく虹彩も赤くないので婚姻色とまでは言えない。ピーカンで露出補正無しだと全体が白飛びしてしまう鳥なのでいっそのことマニュアル撮影した。
その数日前、毎年秋にタカの渡りを観察するポイントへ行ったら高いところをハイタカ属のタカが1羽飛ぶのが見えた。最近ここで見るタカはかなり高いところを飛んでいる。タカの春の渡りは秋より高度が高いという調査結果も有る様だが秋にもハチクマが雲の中に入ったのかと思える高度まで上って行き見えなくなるのを観察した事も有るから一概にそうとも限らないだろう。調査地点周辺の地形や気象条件などにもよるのではないだろうか。この個体はソアリングを繰り返しながら西方向へ流れて行ったのでハイタカの逆渡りと思ったがが極端に短いのでツミとの識別に悩んだ。ツミとハイタカの識別点は初列風切の翼先分離羽の枚数(ツミは5枚、ハイタカは6枚)だがこの画像は不鮮明なため外側から6枚目が分離羽かどうかが微妙で判然としない。ディテールもよく見えない。ハイタカは尾が長く翼後縁の膨らみが大きい。ある調査によればごく少数ながらツミやオオタカの中にも逆渡りする個体が観察されていてハイタカと合わせて「逆走するハイタカ属」などと呼ばれている様だからツミの可能性も否定出来ない。悶々と悩みに悩んで結局尾が擦り切れたか事故で短くなったハイタカと判断したが確証は無い。なお初列風切の分離羽とは別に小翼羽が見えて更に紛らわしいことも有る(下記拡大写真参照)。
バードウォッチングは空ばかり見上げている訳には行かない。田圃に水が引かれ何か入りそうな雰囲気になって来たので翌日それとなく意識していたらコチドリの姿が有った。フォトギャラリーには久々の登場となった。

ハチクマ:フォトギャラリー第321回他参照
ツミ:フォトギャラリー第327回他参照
オオタカ:フォトギャラリー第333回他参照
初歩のバードウォッチング:色彩・斑紋飛び方参照
類似種の識別:ツミとハイタカ参照
分類:チドリ目 チドリ科
全長:16.0cm
翼開長:42.0~48.0cm
分布:九州以北で夏鳥。
生息環境:河川、水田、干潟など。
食性:ゴカイ、貝、蟹など。
フォトギャラリー:第54回参照
撮影難易度:★★☆☆☆
コチドリ
Little Ringed Plover
Charadrius dubius
撮影日:2018年4月17日
撮影時間:11時04分05秒
シャッタースピード:1/800秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:タカ目 タカ科
全長:雄32.0cm 雌39.0cm
翼開長:60.0~79.0cm
分布:本州以北で留鳥または冬鳥。
生息環境:森林、農耕地。
食性:鳥類、小型哺乳類など。
レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第365回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
ハイタカ(?)
Eurasian Sparrowhawk
Accipiter nisus
撮影日:2018年4月16日
撮影時間:10時07分00秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:ペリカン目 サギ科
全長:68.0cm
翼開長:105.0~115.0cm
分布:河川、水田、干潟など。
生息環境:本州以南で夏鳥。
食性:魚類、両生類、爬虫類、昆虫など。
レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第298回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
チュウサギ(夏羽)
Intermediate Egret
Egretta intermedia
撮影日:2018年4月19日
撮影時間:08時59分09秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:京都府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
チュウサギ ハイタカ コチドリ 小翼羽
第370回 2018年4月30日