せっかく電車とバスを乗り継いでたった1枚の休耕田を見に行ったのに肝心の休耕田が無情にも干上がっていてシギチの姿が皆無だった。水が張られていなければシギチは集まって来ない。農家は野鳥ファンの為に農地を管理している訳ではないのでこれは仕方が無い。やむを得ず広大な田園地帯をトボトボ歩いて他のポイントを探したが他に休耕田は見当たらず辛うじて水路にイソシギを見つけ手ぶらで帰る訳に行かない僕は溺れる者は藁をもつかむ状態だったのですがる思いで撮影した。結果だけ見ればたった1羽のイソシギを撮る為になかなかの出費をしてしまった。
普段は自宅から歩いて探鳥しているのでカメラなどのイニシャルコストやバッテリーの充電やパソコンの立ち上げに掛かる電気代などのランニングコストは別として交通費などの経費は掛かっていない。しかしたまには僕も車や電車を使う。アマチュアなので費用対効果は考えなくていいんだけど遠征で要した交通費や宿泊費などの必要経費を野鳥の掲載画像数で割った単純計算でフォトギャラリーで1枚当たり過去最も経費の掛かった画像はどれなのか気になって調べてみた。ざっくりした概算だがどうやらそれは2012年の伊吹山のイヌワシだろうという結論が出た(フォトギャラリー第85回参照)。この遠征では他に野鳥の掲載画像は無くたった1枚のイヌワシの画像の為にガソリン代や宿泊費が約19,700円も掛かった計算だ。2014年の出水平野のアカツクシガモ、タゲリ、ニュウナイスズメ、キュウシュウコゲラがそれに次ぐ(フォトギャラリー第126回第127回第292回参照)。新幹線の指定席を利用するなど現地までの交通費、宿泊費が大きく掲載枚数が少なかったのが響き画像1枚当たり約8,900円だった。経費そのものは去年の天売島の旅費が最も大きいが掲載画像数が多いので1枚当たりの経費は1,400円ちょっとだった。風景写真なども計算に入れるともっと安い(フォトギャラリー第386回第393回参照)。2013年の立山のライチョウ、イワヒバリ、カヤクグリも約7,900円掛かっており掲載枚数の少ない遠征が当然割高になる(フォトギャラリー第119回第120回参照)。因みに今回のイソシギは近場なので約2,400円だった。ありふれたイソシギ1羽に2,400円は高くついたと言うべきか、それともたった1羽のイソシギだが1話のコラムが書けたからこれはこれで良かったと言うべきか。
分類:チドリ目 シギ科
全長:20.0cm
翼開長:38.0~41.0cm
分布:九州以北で留鳥または漂鳥、夏鳥。
生息環境:海岸、河川、湖など。
食性:昆虫、魚類、甲殻類など。
フォトギャラリー:第470回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
イソシギ
Common Sandpiper
Actitis hypoleucos
撮影日:2019年9月18日
撮影時間:12時46分50秒
シャッタースピード:1/1600秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:京都府
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
イソシギ
第501回 2019年10月12日