ドキュメンタリー・レイアウト編
拡大写真:ムジセッカの識別点
更に出汁茶漬けで締め。身も心も満腹。
マスター(僕は大将と呼んでいる)のお父様は輪島塗の人間国宝、角藤弘悦氏との事。その漆塗りの技術はお弟子さんに継承されて国宝園城寺(三井寺)の修復などにも生かされているとか。
タラの粗煮の骨から取った出汁。「気が向かにゃ作らん」との事。
タラの粗煮(手前の箸は輪島塗、後で頂いた。左の醤油は無関係)。奥の酒は地酒「ひや」。
マスター曰く「粗煮が煮れない板前はアカン」「味は目で見て味見は一回」「この艶が出せるのは自分だけ」との事。
ノドグロ
手前はサザエと刺身(ヒラメの縁側・甘エビ・アワビ)、中左はウニ、右は香箱蟹(コウバコガニ=ズワイガニの雌)、奥右はコッペ(マンタのヒレ)、軟骨ごと全部食べられる。
へぐら航路が欠航した時にしか行かなかった割烹料理の「名月」で久々に夕食を摂る事にしたがそれもここで急遽1泊する事に決めた目的の一つだ。コロナ禍の影響でこの店も2年半ぶりだ。
名月
ペンションベッセル輪島
七ツ島
へぐら航路「希海(のぞみ)」
タコクラゲ
恵比寿神社からの朝焼け
撮影地風景;
舳倉島1泊目の夜が明けた。僕のここでの朝のルーティンは民宿つかさから反時計回りに海岸線を巡り、まず恵比寿神社近くで探鳥する事から始まる。
海岸に沿って歩いていると昨夜食卓を囲んだ日本野鳥の会の人と取材班が観音堂の近くでマガンを撮影していた。背後からしばらく眺めたあと邪魔をしちゃいけないと思い先へ進んだ。シラスナ遺跡付近まで歩いたところで上空を数羽のカモの群れが通過して行った。オシドリの雌雄とエクリプス(雄の非繁殖羽)だった(掲載順は前後)。他にもぱらぱらと何種かのカモの群れが通過して行った。彼らはいざとなれば海上に浮かんで休めるから島が有るからと言っていちいち降りて来て休む必要は無いのだろう。
更に進むと奥津比咩神社の近くにムジセッカの姿が有った。朝だったせいか藪の中に隠れず草に止まっていた。別のポイントながら2日連続でムジセッカが撮れた。しかも今回は自分で見つけたうえ前回に続き特徴的な足指の裏側の色が見えている(下記拡大写真参照)。
このあと民宿の女将さんに呼び止められた。何と長期予報で明日から数日間へぐら航路が欠航する見込みだとの事。元々長めの4泊を予定していたがそれを越えて欠航する可能性も有るそうだ。今回は予定を延長出来ない事情が有って当初計画を早めて今日中に本土に渡らなくてはならなくなった。危険を冒して賭けをする事も考えたが悶々と考えあぐねた結果、以降の予定を組み直して確実なこの日15時の便で本土に戻る決心をした。
とは言えまだ時間は有る。ゆっくり構えていたが4泊5日の予定が1泊2日になってしまったので慌ただしく島巡りを再開したら松林でイソヒヨドリらしき姿を見つけた。実は島のあちこちで見かけていたが何しろここは舳倉島なので手抜きせずその姿を撮影した。撮影条件に恵まれず影が掛かってよく見えなかったが後で画像を見てアオハライソヒヨドリと判った。過去個人的には舳倉島と天売島で1回づつそれっぽい姿を見つけているががよく見えずかなり疑問が残ったが今回は胸まで青いのが見えていてかなり自信を持って同定した(フォトギャラリー第301回第392回参照)。しかしあまりにも珍鳥なので念の為あるレンジャーに画像を見せたところイソヒヨドリの雌や幼鳥にも時期的にそういう時が有るというよく聞く話との羽縁が淡色なのがネガティブな要素だと言われた。また本亜種は南国の鳥のイメージだとの事。よって今回もキャプションに「?」マークを付ける事にした。なかなか首を縦に振ってくれないシビアなレンジャーではある。いつかきっと文句無しな個体を見つけたいと気持ちを新たにした。
朝取材班が居た観音堂の辺りに通りかかったらまだマガンが居た。およそ彼らが居そうにない岩礁に2羽の姿が有り逃げる様子も無くかなり近かったのでここは撮影しない手は無い。
島を1巡して近くに来てみると大きなクラゲがたくさん浮いていた。
まだ時間が有ったのでぎりぎりまで頑張ろうと歩いていたら数時間前に出会った男性がシラスナ遺跡近くで海岸にスコープを向けていた。シマアオジが居ると言う。3年半前に恵比寿神社で撮影して以来だ。今回も雌タイプ。ちょっと遠かったのでとりあえず300mmレンズで押さえたあと三脚を据えて2倍のテレコンを付けた500mレンズに交換して再びファインダーを覗くと既にその姿が消えていた。出航の時間ぎりぎりまで待ったが二度とその姿は現れず初めに押さえた画像しか得られなかった。
後ろ髪を引かれる思いで船に乗ったが当然まだ探鳥は終らない。幸い波しぶきは少なかったので上部デッキから海鳥を狙う。しかし撮れたのは定番のオオミズナギドリだけだった。
本土には戻ったが当初の予定よりだいぶ短縮する結果となったので輪島市内に宿を取って翌日も石川県下で探鳥する事にした。

イソヒヨドリ:フォトギャラリー第643回他参照
初歩のバードウォッチング:色彩・斑紋参照
動画ギャラリー:舳倉島バードウォッチングの旅②へぐら航路 希海(のぞみ)参照
分類:ミズナギドリ目 ミズナギドリ科
全長:49.0cm
翼開長:120.0cm
分布:全国で漂鳥。
生息環境:海上、沿岸、沖合など。
食性:魚類、イカなど。
フォトギャラリー:第475回他参照
撮影難易度:★★☆☆☆
オオミズナギドリ
Streaked Shearwater
Calonectris leucomelas
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:15時39分13秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:カモ目 カモ科
全長:45.0cm
翼開長:69.5~77.0cm
分布:東北地方以北で夏鳥。それ以南で漂鳥または冬鳥。
生息地:平地~山地の林、湖沼、河川、水田など。
食性:ドングリ、草など。
レッドリスト:情報不足(DD)
フォトギャラリー:第551回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
オシドリ(上・下上=雄、下下=雌)
Mandarin Duck
Aix galericulata
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:06時18分02秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:06時18分02秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:1250
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:カモ目 カモ科
全長:72.0cm
翼開長:138.0cm
分布:本州以北で冬鳥。
生息環境:湖沼、水田、湿地、河川など。
食性:落ち穂、青草など。
レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
指定:天然記念物
フォトギャラリー:第603回他参照
撮影難易度:★★★☆☆
マガン
Greater White-fronted Goose
Anser albifrons
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:10時47分42秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ムシクイ科
全長:12.0cm
翼開長:不詳
分布:全国で少ない旅鳥または冬鳥。
生息環境:藪、灌木林など。
食性:昆虫、蜘蛛など。
フォトギャラリー:第670回他参照
撮影難易度:★★★★☆
ムジセッカ
Dusky Warbler
Phylloscopus fuscatus
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:07時34分48秒
シャッタースピード:1/3200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ホオジロ科
全長:15.0cm
翼開長:不詳
分布:北海道で少ない夏鳥、日本海側の島嶼部などで稀な旅鳥。
生息環境:平地の草原、牧草地など。
食性:草の種子、昆虫など。
レッドリスト:絶滅危惧ⅠA類(CR)
フォトギャラリー:第374回参照
撮影難易度:★★★★★
シマアオジ(雌タイプ)
Yellow-breasted Bunting
Emberiza aureola
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:13時46分11秒
シャッタースピード:1/1000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
分類:スズメ目 ヒタキ科
全長:21.0cm
翼開長:35.0cm
分布:迷鳥。
生息環境:海岸や河川の岩場、農地など。
食性:昆虫、爬虫類など。
フォトギャラリー:第392回他参照
撮影難易度:★★★★★
アオハライソヒヨドリ(雄?)
Blue Rock Thrush
Monticola solitaries pandoo
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:10時39分15秒
シャッタースピード:1/3200秒
絞り値:F5.6
撮影モード:マニュアル
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
撮影日:2021年10月3日
撮影時間:10時38分59秒
シャッタースピード:1/4000秒
絞り値:F5.6
撮影モード:絞り優先AE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:800
撮影地:石川県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
アオハライソヒヨドリ シマアオジ ムジセッカ マガン オシドリ オオミズナギドリ
 ムジセッカの識別点
第671回 2021年10月31日