「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」米沢藩主の上杉鷹山が詠んだとされる名言だが、この様に文語で言葉の最後によく「けり」が付く事から、物事の最後に結末が来る時などに「けりがつく」と言う様になったと言われる。物事の終りに「ピリオドをうつ」と言うのと同義だ。ところが野鳥のケリにも「けり」がついてしまう危険性が高まっている。前回ケリを紹介した2010年には環境省レッドリスト(2006年版)にケリの名前は無かった。しかし環境省第4次レッドリスト(2012年版)で「情報不足(DD)」カテゴリーにその名が加えられてしまった。そう言えば留鳥なのに個人的には撮影は1年ぶり、フォトギャラリーに登場するのは3年4ヶ月ぶりだ。と言う訳で撮影難易度も星を4個に増やした。チドリ目の仲間では他にシロチドリ、ハマシギ、オオソリハシシギ、ツルシギ、タカブシギ、タマシギが新たにリストに加えられている。いよいよ彼らの生息環境の保護は抜き差しならない状況になりつつある。これらの野鳥に「けり」をつけてしまわない為に、いま出来る事をやらねばならない。野鳥たちも生き残る為に必死だ。我々人間が何も出来ないという訳にはいかない。やれば出来る。「成らぬは人の為さぬなりけり」だ。

オオソリハシシギ:フォトギャラリー第50回第63回参照
分類:チドリ目 チドリ科
全長:36.0cm
翼開長:75.0cm
分布:中部・近畿で留鳥。その他地方で夏鳥または冬鳥。
生息環境:河川、水田など。
食性:昆虫など。
レッドリスト:
情報不足(DD)
フォトギャラリー:第54回参照
撮影難易度:★★★★☆
ケリ
Grey-headed Lapwing
Vanellus cinereus
撮影日:2014年2月19日
撮影時間:09時26分37秒
シャッタースピード:1/200秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:400
撮影地:滋賀県
使用カメラ:NIKON D5100
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
ケリ
第130回 2014年2月26日