この日は大当りだった。何といずれも準絶滅危惧種のオオタカとハチクマの2種を同じポイントで撮影する事が出来た。先に姿を見せたのはハチクマ暗色型で、2時間40分程の時間差でオオタカが飛来した。ハチクマは気性が激しく、自分の縄張りに他の猛禽類が居ると追い出そうとするらしいから、このワンツーは期待していなかった。
オオタカは6月26日以来2ヶ月ぶりの再会だったが、同一個体かどうかは不明だ。ある機関の北海道での調査によると、オオタカの行動半径は約2kmだとされる。それがそのまま大阪でも当てはまるかどうかは分からないが、一応前回の地点からは直線距離でちょうど4kmだ。タカ科の同定で参考にする初列風切の損傷がひどいが、紛れもなくオオタカだ。最近よく行く撮影ポイントで久しく会えないので、このポイントに数ヶ月ぶりで来てみたら無事再会出来た。しかも今回はオオタカとしては異例の長時間、6分半にわたって上空を螺旋状に帆翔してくれた。それにしても鋭い眼光だ。こんな目に射すくめられたら小鳥でなくともシビレる。
これでオオタカに会うのも何度目だろうか。未だにカメラを持つ手が震えてしょうがない。三脚を使わない僕はカメラを構える時は独特の持ち方をしていて、ストラップの吊り金具がちょうど右手の人差し指の第三関節の所にあるので、ここから中指と薬指にかけてストラップをかぶせ、薬指と小指の間に通して小指で挟んで締め付ける様にして握っている。こうするとハンドストラップの様にホールド感が良くなる。別にグリップの小さいD40で小指が余るからではなくF4の時もそうしていて、これでだいぶ手ブレ対策になっていると思う。
ハチクマは5月9日に飛来したのと同一個体だろうか(フォトギャラリー第7回参照)。実はこの撮影の50分前にも一直線に飛び去ったハチクマを捉えていて、おそらくその個体が戻って来たものと思われる。再び姿を見せた時点では口に蛙の様な獲物をくわえていた。さすがにこの大きな体を維持するためには蜂だけでは物足りないだろう。今回も前回と同様、約3分にわたって上空を螺旋状に帆翔してくれたので余裕で撮影出来た。たまたまツバメが多く、ハチクマとニアミスしたところも撮影出来た。勿論、数多の野鳥の中でも速度と旋回能力の高さで勝るツバメだけはハチクマやオオタカを相手にしておらず、ハチクマの方もツバメが全く眼中に無い様子だった。かなり翼の損傷が激しいのは気性の荒さと関係しているのだろうか。猛禽類としては過密な空で、他のタカとの縄張り争いをしているのかも知れない。今回はオオタカもハチクマも翼を損傷している。たまたまかも知れないが、改めて自然界の過酷さの一端を垣間見る思いがする。
分類:タカ目 タカ科
全長:雄57.0cm 雌61.0cm
翼開長:121~135cm
分布:北海道~九州で夏鳥。
生息環境:山地の森林。
食性:蜂などの昆虫、爬虫類、両生類、鳥類。
レッドリスト:
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第7回第10回第21回参照
撮影難易度:★★★★☆
ハチクマ
Honey Buzzard
Pernis ptilorhynchus
撮影日:2009年8月19日
撮影時間:13時14分26秒
シャッタースピード:1/3200秒
絞り値:F11.2
撮影モード:マニュアル
焦点距離:600mm(換算900mm)
ISO感度:1600
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:タカ目 タカ科
全長:雄50.0cm 雌58.5cm
翼開長:105.0~130.0cm
分布:四国の一部、本州、北海道、九州で繁殖。留鳥。
生息環境:森林。都市植林。
食性:鳥類、両生類、小型哺乳類など。
レッドリスト:
準絶滅危惧(NT)
フォトギャラリー:第1回第12回第15回参照
撮影難易度:★★★★☆
オオタカ
Northern Goshawk
Accipiter gentilis
撮影日:2009年8月19日
撮影時間:15時56分20秒
シャッタースピード:1/2500秒
絞り値:F11.2
撮影モード:マニュアル
焦点距離:600mm(換算900mm)
ISO感度:1600
撮影地:大阪府
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
オオタカ ハチクマ
第24回 2009年8月20日