余録;チュウヒ(左)とハイイロチュウヒ雌タイプ(右)の比較
2羽のハイイロチュウヒ雌タイプが米子水鳥公園を半分づつ縄張りにしているそうだから、冬季の内にここへ来れば観察出来る確率が高い。チュウヒと見損じる人が意外に多いが、ハイイロチュウヒ雌タイプの風切下面と尾にはこの様に明瞭な鷹斑が有り腰が白い。チュウヒには腰の白いタイプや鷹斑の比較的明瞭なタイプなど個体変異も有るので要注意だが、ハイイロチュウヒ雌タイプには個体差がほとんど見られず大体このパターンだ。なお成鳥雌と幼鳥は虹彩の色で見分け、成鳥は黄色であるのに対し幼鳥は暗褐色とされるが、困った事に虹彩が黄色い幼鳥も居る様だし、奥目だから光線の条件がよほど良くないとなかなかそこまで見えない。この個体は別のカットで虹彩が黄色っぽいのが確認出来たが観察所の窓ガラス越しでの撮影だったので残念ながら肝心な部分の鮮明さに欠ける写真になってしまった。とは言うものの、こういう所の窓ガラスは一般の物より良い物が使われている様だ。普通のガラス越しで望遠撮影したらこんなに綺麗に撮れない。
「突然ですがクイズです。この中にタシギが居ます。さてどこに何羽いるでしょう?」という出題が出来そうなほど見事な保護色で葦原に溶け込んでいるタシギ。正解は画面中央付近に2羽。これでも、まだしも分かりやすい方で、「保護色」と言うより「擬態」と言った方が良さそうだ。これが果たしてタシギなのか、この状態で同定するのは極めて困難なので確認していないが、ハイイロチュウヒが見下ろしていた葦原に10羽ほどが潜んでいた。目が慣れるまでは居るのが分かっていてもなかなか見つからなかった。
チュウヒ:フォトギャラリー第57回・第59回・第76回・第82回・第93回・第124回・第132回参照
類似種の識別:チュウヒとハイイロチュウヒ(雌)参照
分類:チドリ目 シギ科
全長:26.0cm
翼開長:44.0~47.0cm
分布:全国で旅鳥または冬鳥。
生息環境:水田、干潟など。
食性:ミミズ、幼虫、甲殻類など。
フォトギャラリー:
第63回参照
撮影難易度:★★☆☆☆
タシギ
Common Snipe
Gallinago gallinago
撮影日:2014年12月10日
撮影時間:13時44分00秒
シャッタースピード:1/250秒
絞り値:F16
撮影モード:マニュアル
焦点距離:1000mm(換算1500mm)
ISO感度:800
撮影地:鳥取県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon Reflex-NIKKOR・C 1:8 f=500mm
:Nikon Teleconverter TC-201 2×
分類:タカ目 タカ科
全長:雄43.0cm 雌53.5cm
翼開長:98.5cm~123.5cm
分布:全国で冬鳥。
生息環境:草原、農耕地、河川など。
食性:両生類、鳥類、小型哺乳類など。
フォトギャラリー:
第37回・
第57回・
第76回・
第93回・
第102回参照
撮影難易度:★★★☆☆
ハイイロチュウヒ(雌タイプ)
Hen Harrier
Circus cyaneus
撮影日:2014年12月10日
撮影時間:13時30分21秒
シャッタースピード:1/1250秒
絞り値:F5.6
撮影モード:プログラムAE
焦点距離:300mm(換算450mm)
ISO感度:400
撮影地:鳥取県
使用カメラ:NIKON D40
使用レンズ:Nikon AF-S NIKKOR55-300mm 1:4.5-5.6G ED VR
ハイイロチュウヒ タシギ チュウヒとハイイロチュウヒ雌タイプの比較
第163回 2014年12月25日